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歯科医師の救命救急研修についての 意識調査 1神奈川歯科大学歯学部顎顔面外科学講座, NPO法人日本ACLS協会 2湘南救急医療協会トレーニングサイト, 3泉州府中トレーニングサイト, 4口腔外科ECCトレーニングサイト 河原健司1,2 ,北原 浩2 ,本多英喜1,2 ,鈴木淳一2 , 佐久間泰司3 ,石井宏昭4 日本救急医学会 COI 開示 筆頭発表者: 河原 健司 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 役員・顧問職等の報酬 株式の利益*(または株式の5%以上) 特許権使用料など 講演料など 原稿料など 研究費・助成金など 奨学(奨励)寄付金など 寄附講座所属 その他(旅費・贈答品など) 無 無 無 無 無 無 無 無 無 【背景】 近年,高齢化に伴う有病率の増加やインプラントに代表 される手術の一般化に伴い,歯科医師における救命救 急処置の重要性が再認識されている. 日常的に手術を 行う口腔外科医だけでなく,一般歯科医においても早期 に救命救急を修得,正しい技術を身に付ける必要があ る.しかし, on-the-job trainingについては,救急部など の受け入れ施設が少なく,研修が円滑に行われていな いのが現状である.またoff-the-job training に関しても, 一部の歯科医師が研修しているに過ぎない. 【目的】 アンケート調査により歯科医師の意識調査を行い,効果 的な歯科医師に対する救命救急研修のあり方を検討し た. 【方法】 調査の概要 調査方法: AHA BLS又はACLSコースを受講した歯科医師に対して アンケート票を配布.郵送にて回収. 調査期間: 平成25(2013)年10月~平成26(2014)年3月 調査対象トレーニングサイト(T.S.) : 湘南救急医療協会T.S. 泉州府中T.S. 口腔外科ECC T.S. 調査票の構成: 属性,動機,到達度,必要性,救命処置研修に対する 意識など 被験者数: 122人(BLS 116人,ACLS 6人) 【結果】 BLS 男女比 経験年数(含初期研修) ~5 10 29 男性 87 女性 61 20 8 17 6~10 11~15 16~20 21~ BLS 勤務先 11 開業医 6 大学病院 28 一般病院 80 大学基礎 その他 BLS 受講動機 0 20 86 自分自身のスキルアップ 42 専門医修得 33 研修の一環 所属施設で指導する 18 上司,同僚からの勧め 17 ホームページを見て 40 3 (人数) 60 80 100 BLS 事前学習(テキスト) G2010 テキスト 14 102 購入した 借りた 12 56 48 事前学習(実技) 515 した 少し しな い 96 した 少し しな い BLS 理解度(コース終了時) 救命の連鎖 4 35 77 理解度5 アルゴリズム 37 7 質の高いBLS 5 72 理解度4 84 27 理解度3 理解度2 AEDについて 2 窒息の解除 8 1 0 87 27 理解度1 38 20 69 40 60 80 100 (人数) BLS 自己の到達度 (平均値) 86.5 講義 83.7 実技 84.3 総合 82 83 84 85 86 87 (%) BLS 急変時にBLSを実施出来るか? (人数) 100 90 80 70 60 50 89 40 30 20 10 17 2 0 出来る 多分出来る 多分出来ない 8 出来ない 分からない BLS 所属施設でAHA BLSを勧めるか? 所属施設でBLSを指導するか? 勧める 5 16 26 勧める 4 74 勧める 3 勧める 2 勧める 1 する 40 7 34 したい しない 35 わからない BLS 普及活動(インストラクター) 研修歯科医にBLSの受講は必要か? 13 20 83 なりたい なりたくない わからない 1 10 11 必要5 必要4 94 必要3 必要2 必要1 ACLS 理解度と到達度 経験年数(含初期研修) ~5 6~10 1 2 3 80.7 理解度 11~15 16~20 21~ 70.7 到達度 64 66 68 70 72 74 76 78 80 82 (%) 【考察】 今後の歯科医師のBLSコース受講の普及や学習効果を 高めるには以下のことが必要だと考える. 1. 歯科医師会,学会また大学所属単位での受講が多く, 他職種が受講する一般コースでの受講が少ない. この点を考慮して,コースの普及を考える. 2. 事前学習では,テキストで学習するが,実技練習は ほとんど行われていない.これは器材の揃う環境が 少ないためと思われる.事前に実技練習も行う機会が あれば,より学習効果も高まると考える. 3. 「窒息」に対する項目の理解度が若干低いので, 受講生の背景にあった,より分かりやすい指導を 心がける. 【考察】 4. 所属施設での指導は考えるが,AHAインストとしての活 動までは考えない受講生が多い.歯科医師のインストを 増やして,活動を広げることがコース認知度の増加に つながり受講者を増やすことに寄与すると考える. 5. 研修歯科医のBLSコース受講の必要性は,ほぼ100%が 認めている.この年代の受講生は今回のアンケートでは 少なかった.研修施設でのBLS受講の必要性の強調 することが受講生の増加につながり,より安全な 歯科医療の提供に寄与すると考える. 6. ACLSコースに関しては受講者が6名と少なかったが, 口腔外科や病院歯科に勤務する歯科医師には必要な スキルである.受講に際し,コースを理解しやすいように 心電図などの事前学習が不可欠だと考える.