曲目解説 - 兵庫芸術文化センター管弦楽団

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曲目解説 - 兵庫芸術文化センター管弦楽団
pac15_05_p1819
15.03.09
15.03.20
15.03.27
15.04.02
15.04.06
15.04.15
オリヴィエ・シャルリエ with PAC ヴィヴァルディ
「四季」 PROGRAM
J.S.バッハ Johann Sebastian Bach
イ短調 BWV1041(約14分)
Violin Concerto in A minor, BWV1041
第1楽章 −
第2楽章 アンダンテ Andante
第3楽章 アレグロ・アッサイ Allegro assai
飯尾 洋一
(音楽ライター)
バロック期の二大作曲家によるヴァイオリン協奏曲
ホ長調 BWV1042(約17分)
Violin Concerto in E major, BWV1042
第1楽章 アレグロ Allegro
第2楽章 アダージォ Adagio
第3楽章 アレグロ・アッサイ Allegro assai
ドイツで活躍したバッハと、イタリアで名声を高めたヴィヴァルディ。ほぼ同時代を生き
たバロック音楽の二大作曲家のヴァイオリン協奏曲が並べられた。
同じヴァイオリン協奏曲といっても、その作風は対照的だ。バッハが書いたのは「絶対音
楽」、つまり文学や絵画などの音楽以外の題材を必要としない純粋な音楽。音楽は音の動
ニ短調 BWV1043(約15分)
Concerto for 2 Violins in D minor, BWV1043
第1楽章 ヴィヴァーチェ Vivace
第2楽章 ラルゴ・マ・ノン・タント Largo ma non tanto
第3楽章 アレグロ Allegro
※第1ヴァイオリン: オリヴィエ・シャルリエ 第2ヴァイオリン: モニーク・ラピンス
休 憩(20分)ー Intermission
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 op.8「四季」
(約40分)
Antonio Vivaldi : Violin Concertos, op.8, “The Four Seasons”
「春」
第1楽章 アレグロ
第2楽章 ラルゴ
第3楽章 アレグロ
“La primavera” in E major, op.8-1, RV269 ( Allegro / Largo / Allegro )
きや構成など、楽想そのもので表現される美である、
という考え方だ。
一方ヴィヴァルディが「四季」で目指したのは描写音楽としてのヴァイオリン協奏曲。
ソネット
(14行詩)
に綴られた四季折々の光景を音楽で描いた。たとえば第1曲「春」では、
有名な冒頭の主題に続いて、独奏ヴァイオリンが小鳥のさえずりを表現する。
作曲の方法はまったく違うが、生み出された音楽はどちらもまぎれもなく時代を代表する
傑作だ。
「必 聴ポイント」
ライター
おすすめ
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
イ短調 BWV1041
「夏」
第1楽章 アレグロ・ノン・モルト−アレグロ
独奏ヴァイオリンが奏でる第2楽章のメロディ
「秋」
第1楽章 アレグロ
第2楽章冒頭のゆったりとした前奏に続いて登場する独奏ヴァイオリンののびやかなメロ
ディは絶美。静かに物思いに耽るような表情から、繊細なニュアンスが生み出される。
「冬」
第1楽章 アレグロ・ノン・モルト
J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲
第2楽章 アダージォ
第3楽章 プレスト
“L’estate” in G minor, op.8-2, RV315 ( Allegro non molto - Allegro / Adagio / Presto )
第2楽章 アダージォ・モルト
第3楽章 アレグロ
“L’autunno” in F major, op.8-3, RV293 ( Allegro / Adagio molto / Allegro )
第2楽章 ラルゴ
第3楽章 アレグロ
“L’inverno” in F minor, op.8-4, RV297 ( Allegro non molto / Largo / Allegro )
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ヴ ァ イ オ リ ン:オリヴィエ・シャルリエ Olivier Charlier, Violin
演
奏:兵庫芸術文化センター管弦楽団 Hyogo Performing Arts Center Orchestra
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2015
5/1(金)2:00PM開演
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主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
室内楽シリーズ
2つのヴァイオリンのための協奏曲
ー
わかる!
ヴィヴァルディ
﹁四季﹂
ヴァイオリン協奏曲 第2番
これさえ
見れば
定期演奏会
ヴァイオリン協奏曲 第1番
オリヴィエ・シャルリエ with PAC ヴィヴァルディ
「四季」/これさえ見ればわかる!今回の聴きどころ
ニ短調 BWV1043
第3楽章のスリリングな対話
この協奏曲の独奏者は二人。二人のヴァイオリニストがお互いを模倣するかのような対話を
くりひろげる。第3楽章では対話が白熱し、緊迫感あふれるスリリングな展開に。
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集
op.8「四季」
まどろむ羊飼いと、犬の鳴き声
「春」の第2曲で描かれるのは、花が咲き誇る牧場の心地よい風景。木の葉のざわめき、ま
どろむ羊飼い(ヴァイオリン)、犬の鳴き声(ヴィオラ)がそれぞれ見事に音で表現される。
※演奏時間は目安となります。前後する可能性がありますので予めご了承ください。
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15.03.09
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15.03.27
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オリヴィエ・シャルリエ with PAC ヴィヴァルディ
「四季」 PROGRAM NOTE
オリヴィエ・シャルリエ with PAC ヴィヴァルディ
「四季」
編曲されているので、
同じ曲をチェンバロ版で聴いたことのある方もいるだろう。
第2楽章では独奏ヴァイオリンが愁いを帯びたメロディを綿々と紡ぎ出す。
内省的な悲嘆の音楽。
曲目解説ー演奏をより深く楽しむために 飯尾 洋一(音楽ライター)
第1番
イ短調 BWV1041
初演:不明
背筋が伸びる峻厳なバッハ
古典派以降のヴァイオリン協奏曲では、独奏ヴァイオリニスト一人に対して、
オーケストラが後ろ
独奏者と弦楽器と通奏低音で編成されるのが基本形。
18世紀初めに確立されてまだ間もないヴァ
イオリン協奏曲のスタイルを、
バッハは他人の作品を書き写したり編曲したりしながら身につけた。
楽器編成
ソロ・ヴァイオリン、
弦楽5部、
チェンバロ
J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲
ニ短調 BWV1043
初演:不明
模倣による2台のヴァイオリンの対話
バッハのヴァイオリン協奏曲はいずれも1720年頃のケーテン時代、
あるいは1730年頃のライ
バロック時代の協奏曲では、
複数の独奏楽器が置かれることも珍しくなかった。
この曲では2台の
プツィヒ時代に書かれたものと推測されている。
独奏ヴァイオリンが用いられる。2台のヴァイオリンは対等な関係にあり、
お互いに相手を常に模倣
第1楽章の冒頭の鋭くくさびを打ち込むような動機は印象的。背筋がぴんと伸びるような峻厳な
しながら、
演奏をくりひろげる。
一人の問いかけに対して、
もう一人が応答し、
それにまた相手が答え
雰囲気が全曲を貫く。
……といった音楽による対話が、
端正で格調高い協奏曲を作り出している。
精緻なポリフォニー
(複
第2楽章では独奏ヴァイオリンがゆったりとした歌うようなメロディを奏でる。
孤独なモノローグ風。
数の声部の絡みあい)
も聴きどころのひとつだろう。
第3楽章は一転して、
活発な舞曲に。
8分の9拍子の弾むようなジーグのリズムに乗って、
独奏ヴァ
他の2曲の協奏曲と同様に、
急−緩−急の3楽章から構成されている。
イオリンの技巧的なパッセージをはさみながら力強く高揚する。
第1楽章は第2ヴァイオリンの厳粛な主題で開始され、
これを第1ヴァイオリンが模倣する。合奏
室内楽シリーズ
にずらりと陣取るといったイメージだが、バッハの時代の協奏曲はぐっと簡潔な編成になっている。
うちに曲を閉じる。
ヴィヴァルディ
﹁四季﹂
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲
第3楽章は典雅な舞曲風。
活気にあふれ、
独奏ヴァイオリンの技巧性を際立たせながら、
上機嫌の
定期演奏会
朗らかさとともに、
人懐こいユーモアも漂わせる。
第1楽章は跳躍するような明快な主題で開始され、
せいち
部分と2台のソロを中心とする部分を交替させながら曲が進む。
楽器編成
第2楽章はゆったりとした安らぎの音楽。
抒情的なメロディがよどみなく流れる。
ここでも独奏ヴァ
ソロ・ヴァイオリン、
弦楽5部、
チェンバロ
イオリンは互いを模倣して、
細密な綾を織りなす。
第3楽章では緊迫感を高め、
スリリングな音楽が展開される。
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲
第2番
ホ長調 BWV1042
初演:不明
晴れやかで、ユーモアも漂わせる人気曲
バッハが残したヴァイオリン協奏曲は、本日演奏される3曲のみ。実際にはもっとたくさんの曲を
書いていたのではないかと推測されているが、
惜しいことにこれだけしか残されていない。
3曲のなかで唯一、
明るく晴れやかな楽想を持っているのがヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調。
平
明さゆえか、バッハの存命中からたびたび演奏され、死後バッハの音楽が顧みられなかった時代に
も例外的に演奏されてきた人気曲である。バッハ本人によりチェンバロ協奏曲第3番ニ長調として
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楽器編成
ソロ・ヴァイオリン2、
弦楽5部、
チェンバロ
Prof ile
Johann
Sebastian
Bach
ヨハン・セバスティアン・バッハ (1685∼1750 )
ドイツの作曲家。
数多くの音楽家を輩出したバッハ一族のなかでももっとも重要
な作曲家であることから、
「大バッハ」
とも呼ばれる。
ワイマールで宮廷音楽家とし
てヴァイオリン演奏の職務についた後、
アルンシュタット、
ミュールハウゼンの教会
オルガニストとして活躍。
さらにケーテン宮廷の宮廷楽長、
ライプツィヒのトーマス
教会学校カントルを務め、
宗教音楽や器楽曲の分野に多数の傑作を残した。
バ
ロック期の最後を飾る作曲家。
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オリヴィエ・シャルリエ with PAC ヴィヴァルディ
「四季」 PROGRAM NOTE
オリヴィエ・シャルリエ with PAC ヴィヴァルディ
「四季」 2015 5/1(金)
初演:不明
Olivier Charlier, Violin
季節の風物詩を音楽で鮮やかに活写する
ン、
ジャン・ユボーに師事。
ナディア・ブーランジェ、
ユーディ・メニューイン、ヘンリ
弱冠10歳でパリ国立高等音楽院に入学し、
ジャン・フルニエ、
ピエール・ドゥカ
際コンクールにて17歳で第3位に輝いたのち、
モントリオール国際コンクール、
ロ
ヴィヴァルディの
「四季」
である。
ヴィヴァルディの代表作という以上に、
わたしたちにとって最もなじ
ン=ティボー国際コンクール、
インディアナポリス国際コンクール等に入賞。
み深いバロック音楽の名曲といえるだろう。
これまで、
フランス国立管弦楽団、パリ管弦楽団、
ロンドン・フィルハーモニッ
ク、
チューリッヒ・トーンハーレ管弦楽団、バーミンガム市交響楽団、
ピッツバーグ
ヴィヴァルディはこの作品にソネット
(14行詩)
を添えた。
それぞれの曲で、詩と音楽は密接に対
える。泉が湧き出る。空が黒く覆われ、雷鳴が轟く。嵐が去ってふたたび小鳥が歌う」。
冒頭の快活な
© Jean-Baptiste Millot/Transart
交響楽団、NHK交響楽団等と共演。サカリ・オラモ、アルミン・ジョルダン、
グス
ターヴォ・ドゥダメル、
シャルル・デュトワらの指揮のもとソリストを務めている。
近年、
とりわけBBCフィルハーモニーと協力し、新作の初演や演奏機会の少ない作品の紹介にも力を入れてい
る。
室内楽にも熱心に取り組み、
多数の国際音楽祭に出演。
に、
ヴィヴァルディの音楽は雄弁に四季の情景を描写する。
録音も多数あり、
プラハ室内管弦楽団を弾き振りしたモーツァルトの協奏曲など高い評価を得ている。
「夏」
では照りつける太陽、
カッコウや山鳩の歌、
雷鳴と稲妻、
「秋」
には豊作を祝う村人たちの宴、
使用楽器は1747年製カルロ・ベルゴンツィ。
心地よい春と秋の情景に比べて、夏の嵐は激しく、冬の寒さは厳しい。時代も国も超えて、生々し
出演者
ヴァイオリン
い季節感が伝わってくる。
コアメンバー
楽器編成
石川 千尋
ソロ・ヴァイオリン、
弦楽5部、
チェンバロ
Prof ile
Antonio
Vivaldi
イタリアの作曲家。
ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂のヴァイオリニストをつと
める父親から音楽を学ぶ一方で、
聖職者になるための教育も受けて、
司祭に叙任
した。
ピエタ養育院のヴァイオリン教師に任ぜられ、
養育院の少女たちの音楽教育
のために演奏会用の器楽曲を多数作曲。
40年にわたり養育院で音楽活動に携わ
り、
作品の出版を通じて国際的な名声を獲得した。
晩年はウィーンでオペラ上演を
企てたが、
成功は果たせず、
貧困のうちに没した。
矢島 千愛
アソシエイト・プレイヤー
Monique Lapins
Chiai Yajima
長坂 志野
レジデント・プレイヤー
レジデント・プレイヤー
Shino Nagasaka
Chihiro Ishikawa
農頭 奈緒
セルゲイ・タラシャンスキー
加藤 賢太
Nao Nogashira
Sergey Tarashchansky
Kenta Kato
アフィリエイト・プレイヤー
大竹 貴子
チェロ
エキストラ・プレイヤー
金 有里
コアメンバー
Yuko Mogi
Yoori Kim
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678∼1741 )
モニーク・ラピンス
小島 愛子◎
Aiko Kojima
ジャニス・サカイ
Janis Sakai
05.9-09.8在籍
Takako Otake
アソシエイト・プレイヤー
北島 佳奈
05.9-09.8在籍
Kana Kitajima
11.9-14.8在籍
サミュエル・エリクソン
Samuel Ericsson
アンドレア・クレサーテル◎
Yoshiyuki Daikai
角田 博之
Andrea Kleesattel
竹下 芳乃◎
Hiroyuki Sumida
ファニー・スパンガロ◎
ヴィオラ
フィリップ・バーグマン◎
Hikaru Tanaka
練木 翔
Sho Neriki
三浦 明子
Akiko Miura
森岡 ゆりあ◎
Yuria Morioka
ヤン・ホエル
Hui-ju Yang
Fanny Spangaro
コアメンバー
Philip Bergman
青野 亜紀乃◎
コントラバス
Akino Aono
茂木 裕子
Sari Ari
エキストラ・プレイヤー
田中 光◎
チェンバロ
有梨 瑳理
大海 佳之
Yoshino Takeshita
室内楽シリーズ
メロディは春の到来の喜びであり、
続く独奏ヴァイオリンは小鳥のさえずりを描写する、
といったよう
心地よい大気、
角笛と鉄砲を携えた狩、
「冬」
には冷たい雪、
氷、
大雨、
北風などが表現される。
ヴィヴァルディ
﹁四季﹂
ク・シェリングら大家たちから才能を認められ、
熱心な支援を受ける。
ミュンヘン国
ヴェネツィアの四季の風物詩を、春夏秋冬それぞれ3楽章ずつの協奏曲集として描いたのが、
田中 啓太◎
コアメンバー
Keita Tanaka
西本 俊介
仁科 友希
Shunsuke Nishimoto
Yuki Nishina
サイモン・ポレジャエフ◎
丸山 緑◎
Simon Polezhayev
Midori Maruyama
山村 ザッカリー
Zachary Yamamura
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PROFILE
定期演奏会
オリヴィエ・シャルリエ(ヴァイオリン) ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 op.8「四季」
応している。
たとえば有名な
「春」第1曲の詩は
「春が来る、楽しげに。小鳥たちは陽気な歌で春を迎
15.03.09
15.03.20
15.03.27
15.04.02
15.04.03
15.04.06
15.04.15
◎はフォアシュピーラー
◇はこの公演のトップ
オーケストラ・マネージャー:
山内 雅豊
パーサネル・マネージャー:
大野 浩美
ステージ・マネージャー:
生田 修一
ライブラリアン:
加藤 千香子
アシスタント・ライブラリアン:
愚川 幸紀
インスペクター:
伊藤 隆司
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