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みんなで音楽を楽しもう
演奏技法講座
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はじめに…
このテキストはクラリネットのグループ講習会のために作成したものに改定を重
ねてできています。音楽を楽しむためには努力・研究・鍛錬の時間が必要です。この
テキストを通してより知識や技術を高め、感性を磨くきっかけとなりクラリネットを
演奏するみなさまがより良い音楽ができるよう願っております。
さて、ここにいるみなさんはさまざまな理由でクラリネット選び、音楽を演奏者と
して楽しむ道を選んでいることでしょう。そしてさまざまなことを教わり、技術を磨
きより良い音楽をしたいと思っていることでしょう。そこで、今回は大きく2つのこ
とを学んでいってほしいと思っております。1つは「考える練習」をしてほしいとい
うことです。一つ一つ何の練習をしているのか考えながら練習(頭を使った練習)、
が上達への一番の近道です!
もう1つは… 「何のための技術?」 「その技術で何がしたいのか?!」
これがなければ始まりませんね!
質問は何でも受け付けてます!休憩時間などを利用してどんどん聞きに来てくだ
さい。また、大切なことを聞いたと思ったらメモをとってこれからに役立てください。
それでは、はじめましょう!
《目次》
1
楽器を吹く前に ………………………
2p
2
音を奏でよう(基本的な奏法)………
9p
3
練習方法 ……………………………… 16p
4
音色・音質について ………………… 20p
5
特殊奏法 ……………………………… 26p
6
クラリネット関係情報 ……………… 27p
7
おわりに…(演奏について) ……… 32p
(ふろく)
楽器音程チェック用紙
運指表(B♭クラ・バスクラ・Esクラ)
- 1 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
1
楽器を吹く前に
☆ クラリネットのお話
・クラリネットの誕生
クラリネットの祖先はシャリュモーという楽器だと言われています。この楽器は
1 オクターブくらいしか音が出せなかったため、改良されレジスターキーがついて
クラリネットという楽器に進化しました。このキーにより3オクターブ以上もの音
が出せるようになりました。今でもクラリネットの低い音域は「シャリュモー音域」
と呼ばれています。
シャリュモー
・クラリネットの構造と音域
オーボエやサックスにはオクターブキーがついておりこれにより 1 オクターブ上
(8度上)の音が出る仕組みにみなっていますが、クラリネットのレジスターキー
では12度上の音が出ます。これは管の内径の違いによるもので、オーボエやサッ
クスでは円錐管、クラリネットでは円筒管の閉管パイプの構造になっているからで
す。この構造によりクラリネットの音域は他の楽器に比べて広くなっています。
シャリュモー音域をレジスターキーによって12度上の音を出すと中音域になり
ますが、間の音が抜けてしまいます。そこで別のキーを取り付けブリッジ音域(橋
渡し音域)ができました。楽器の長さ的に浅い部分になるため、音程や音色のコン
トロールが難しい音域になってます。しっかりとコントロールできるようしっかり
練習を積み重ねましょう。
(クラリネットには種類があり様々な合奏やアンサンブルなどでも活躍します。)
クラリネットの種類(As、Es、D、C、B♭、A、Alto、Basset、Bass、C.Alto、C.Bass)
-2-
‐クラリネット演奏技法講座‐
・音域の特徴
各音域ごとに特徴があるので、それぞれの個性求められる場合もあり、なるべく
均一の音色感を求められるときもあります。これは時として非常にやっかいに思う
かもしれませんが、他の楽器にはないクラリネットらしさです。このことも含めて
楽しさに変えて演奏すれば、なんともやりがいのある楽器だと思います。充実した
クラリネット人生を楽しみましょう!
シャリュモー音域………落ち着いた力強い音色から薄い膜をひいたような音色まで
音色・音量とも豊か。個性的な響き。
ブリッジ音域……………最も音勢に乏しく音色も悪いので演奏者は苦労しますが、
独特な雰囲気。(スロートーン…鈍い音)
霧がかった表現やおどろおどろしい表現は最高の音域です。
中音域(クラリオン)
…光彩豊かな輝かしい音色。演奏も容易な音域。
(クラリオン…明快なというクラリネットの語源でもあります)
高音域……………………鋭く刺激的な響き。
やわらかさを求めるのは技術が必要ですが、
根気強く求めていきましょう
現代音楽では、さらに高い音域を要求されることも…
-3-
‐クラリネット演奏技法講座‐
・ベーム式とエーラー式
クラリネットはフランス式(ベーム式)
、ドイツ式(エーラー式)というシステム
構造に大きく分かれています。(アルバート式というのもありますが…)
フランス式と呼ばれている楽器は、パリのクラリネット奏者 H.E.クローゼと楽器
製作者 L.A.ビュッフェ 2 世によって改良され、1840年頃誕生しました。ベーム
(ボエム)とは、現在のフルートのシステムを作ったテオバルト・ベームの名前か
らきています。
フルートのシステムをクラリネットに取り入れたのでベーム式と呼ばれています。
一方ドイツ式というのは、ベルリンのオスカー・エーラーによって完成されたシス
テムが基盤となっています。現在では主にドイツ、オーストリア、オランダなどで
広く使用されています。ベーム式は主にそれ以外の国で広く使われています。
ベーム式とエーラー式の大きな違いは、運指の違いです。運指や構造の違いから
楽器の響きかたも違うので、音色も変わってきます。この響きにこだわりをもって
エーラー式を吹いています。しかし、エーラー式の運指はベーム式に比べて難しい
のです…
近年ではこの「ベ-ム式」の運指機構を取り入れた「エ-ラ-式」(ドイツ式)の
クラリネットが作られたり、「エーラー式」のような音色を持つ「ベーム式」(フラ
ンス式)のクラリネットが作られたりなど、それぞれの良い部分をお互いに取り入
れた新しいクラリ ネットが生み出されています。
エーラー式
どちらにせよ大切なことは、自分で出したい音のイメージを持っていることです!
-4-
‐クラリネット演奏技法講座‐
☆ クラリネット本体
楽器はデリケートなものです。扱い方を知らず無理をさせるとすぐに調子が悪くな
って音が悪くなったり出なかったり…大切な本番の直前に…なんてことも…
楽器を演奏できることに感謝して、より良い音楽ができるよう楽器の扱い方をしっ
かり覚えていきましょう!
・組み立て方………キーを曲げないように、コルクグリスをつけすぎない
→ 演奏時の感覚が変わったり、動いてしまい不安定に
ベルやタルのマークがまっすぐになるよう接続
→ よく響くポイントを吟味してマークされています
上下管の連結、リード、りガチャーの取り付け
→ 取り付け位置や締め具合が音に影響します
・置き方……………キャップを必ず付け、ベルをだして置く
→ リードを守り、キーの曲がりを防ぐ
やむおえず床に置くときはベルを外して置く
→ キーの曲がりを防ぎ、存在を知らせる
・スワブの通し方…入り口を傷つけないように通す
上から? 下から?
→ 先端や内側が傷つくとコントロールがしにくくなったり、
音に影響します。細心の注意を!
休憩時に…(水滴がベルからこぼれる前にこまめに通そう!)
・しまい方…………水分を十分取ってしまう
→ 木のコンディションに影響
トーンホールの中の水滴を吹き飛ばす
→ ホール内の汚れが音に影響、タンポへの影響
スワブは楽器と一緒に入れない
→ 楽器のコンディションに影響、キーのサビの元
メッキ部分はクロスで拭こう
→ サビると触った感覚が変わって演奏に支障
-5-
‐クラリネット演奏技法講座‐
☆ 仕掛け部分
楽器の心臓部分ともいえる仕掛け部分です。種類、材質・選択方法については先の
項目でお伝えしますので、ここでは扱い方にとどめます。
楽器同様細心の注意をし丁寧に扱いましょう!
・マウスピース……スワブを通したり洗っても大丈夫です。リードの接触部分や先端
を傷をつけないよう丁寧に拭きましょう!清潔に!
(入れ歯洗浄剤で殺菌?!)
・リガチャー………落とさない! すぐに曲がって音の出が悪くなります。
曲げないように丁寧にクロスで拭こう(メッキ部)
ネジが硬いときは潤滑剤。(コルクグリスが代用に?!)
・リード……………洗っても大丈夫です。ただし!
先端部分を傷つけないように割れに注意!
衛生管理はしっかり!
使用後はリードケースなどにしまってやすませよう。
☆ メンテナンス
いつも最善なコンディションで演奏できるよう定期的な点検をお勧めします。簡単
なチェックポイントと割れについてまとめてあります。個人的に直したりチューンア
ップもできる項目もありますが、専門的要素の必要なことですので、個人では応急処
置にとどめて、リペアの専門家に見てもらえるとよいです。また、半年に1回くらい
での専門家による定期点検がお勧めです。
・日頃の点検……ネジの締め具合
→ 演奏時にキーが動いて音が出ないことも!
精密ドライバーで緩んでいないかをチェック!
キーの動き具合(キーオイル)
→ キーの動きが悪くなり音の移り変わりに影響
・3ヶ月点検……タンポの状態、キーバランス調整(タンポのしまり具合)
→ トーンホールがしまらなくなって音が出にくくなる
・その他の点検…指のリングの高さ調節、トーンホール内掃除
木の状態の点検(ボアオイル)
-6-
‐クラリネット演奏技法講座‐
・割れについて、注意事項
割れるとどうなるの?!
→ 音に影響します。
ただ、割れることによって音が開放された!鳴りかたが良くなった!など、悪い
面ばかりではないようです。割れを放っておいてひどくなりトーンホールにかかっ
てしまったり、貫通してしまいますと、息が漏れて吹きにくくなり響きがとぼしく
なります。高価な楽器をより良い状態で長持ちさせるためにもこまめにチェックし
て、気がついたらすぐにリペアの専門家に見てもらいましょう!
※注意事項
木製部分はなるべく日向にさらさないように!湿度も気にすると良いです。
暖かい場所から寒いところに移動するなどの極端な温度変化は割れの原因で
す。また、冷えた楽器に急に暖かい息を吹き込むのも木に負担がかかります。
先に手などで十分に常温にしてから息を吹き込みましょう。
とくに上管のほうが割れやすいということです。
十分注意して最善の状態で演奏に望みましょう!
☆ 姿勢・手と指
人間は部分的に力を入れようとしても連動して全体に力が入ってしまいます。
クラリネットを演奏することに必要な力だけをつかるようコントロールすること
で無理なく自然な音が出せるようになります。
姿勢や手と指の自然なフォームを身につけ無駄な力が入らないよう気をつけよう
姿勢
・足を少し開いてまっすぐ立つ、胸を上げて背筋を伸ばす。体重をやや前方へ
・力を抜く…リラックス(肩、ひじ、手首に力を入れすぎないで自然に)
→ 無駄な力が入っていませんか?
クラリネットの重さを感じよう!
立ってても座ってても無駄な力を入れずに!
-7-
‐クラリネット演奏技法講座‐
手と指
棒指にせず少し丸みを帯びて、自然に!必要以上の力を入れすぎないようにしま
しょう。演奏時にクラリネットの振動が手や指でわかりますか?
チェックポイント
・右手親指(腱鞘炎予防に)
→ 親指を寝かさない。筋を痛めないように骨で支えるように
・右手人差し指(サイド Es キー)
→ ドアノブをまわす様に自然に
・左手親指、人差し指(A キーやレジスターキーとの兼ね合い)
→ コップを持ってる様に自然に
無理のない姿勢、手や指の力加減はよい響きにつながります。楽器を吹く前に心
を落ち着せ、練習の効率化を上げることにつながります。しっかりと集中するため
にリラックス状態を確かめてから楽器を吹きましょう。
練習の最初に出す音はその日の成果につながると思って、丁寧に吹きましょう!
-8-
‐クラリネット演奏技法講座‐
2
音を奏でよう(基本的な奏法)
☆ アンブシャー
クラリネットでは、1枚のリードで3オクターブ半くらいの音域を吹くことになりま
す。指をつかって管の長さを変えて音の高さを変えますが、低音はリードの震える幅が広く
なり、高音では幅が狭くなります。そして、それぞれの音域によってリードの震えるポイン
トの感覚が変わるのを、下唇や口の筋肉を微妙にコントロールして行っているのです。まず
はチェックポイントを参照しながら、音をしっかりとコントロールできるアンブシャーを研
究していきましょう!
力のバランスが大切!必要な力を考え、無駄な力が入らないようコントロール!
安定した音、リードを振動させることを考えよう!
・噛み付き……リードが響かない、無理な力が入ってのどがしまる
細い息になる、コントロールがしにくく音がつぶれる
・あごに力を入れて引きすぎない…リードにのせる下唇の面積が狭くなる
→ 唇の弾力性がなくなり、各音域でのリードの
鳴る位置がわかりにくくなる 自然に!
・あごを上に押し上げない……力の入れすぎの原因、コントロールが難しくなり
リードミスの原因にもなります!
・主に上の歯でマウスピースを支え、下唇に力の余裕を持たせておく
→ 微妙なピッチ作り、リードの震えるポイント(倍音)の感覚を覚える
・ほほを上げるように(ニコッと笑うように)引き上げる
→ 唇の脇を閉じて息が漏れないようにする
あごからの力では脇を閉じない感覚です!
(むしろあごを引くように…)
-9-
‐クラリネット演奏技法講座‐
※つねに注意しよう!
・タンギング(舌を動かすとき)アンブシャーが動いていないか?
・音を出す瞬間にアンブシャーの準備は終わっているか?(息継ぎのとき)
・指を練習しているときに力が入っていないか?
良いアンブシャーを常に作ったまま演奏できるよう体にしみこませよう!
とりあえずある程度ポイントをおさえながら…
おもいっきり息を吹き込んでみよう!
音がでなかったら…
↓
「マウスピースをくわえる深さ」
「力の具合をチェック」
(入れすぎ?入れなさすぎ?)
「息の圧力が足りない?」
↓
もう一度吹いてみよう
音が出たら!
↓
・よい音をさがしてみよう!
(永遠の楽しみです!)
「楽器の角度」など…
↑
よい音って何?
どんな音?
鏡などを使ってアンブシャーをチェックしてよい音が出る状態を覚えていこう!
人間は歯の形、肉付き、力加減など一人ひとり違うものです。
良い音に近づくには、良い音のイメージをしっかり持ちながら
「自分の音をしっかり聴きながら練習」することです!
なるべく自分の音をしっかりと聴ける環境の中で個人練習をしましょう。
これが上達への近道です!
☆ レジスターキーの練習(倍音の練習)アンブシャーの力加減の確認
ここではレジスターキーを使った練習になります。
倍音についてのお話は後に出てくる「リードミスについて」上級編でお話します。
レジスターキーを使った練習でアンブシャーを安定させましょう!
アンブシャーがきつすぎたりゆるすぎたりすると上手く上の音にいけません!
チェックしながらよい力加減を覚えていきましょう。
また、楽譜では書かれておりませんが、上の音から戻るのはかなり難しいこ
とです。
是非もどる練習をチャレンジしましょう!
- 10 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
下の音を吹いていて、隣の人にレジスターキーを押してもらいましょう。
音がひっくり返らずにでますか?このときアンブシャーはほとんど変わりません。
(厳密には変わります)ひっくり返らない力加減を探してみましょう!
☆ 呼吸とコントロール
音楽は音で表現します。音を創るのはリードですか?楽器ですか?
リードの振動を利用して音を出します。ですが大切なのはリードを振動させる力、
息(圧力)です。そして様々な音を出すために息のコントロールが重要なのです。
このコントロールや圧力をかけること、さらには力のバランスまで…
楽器を吹く上でとても適している呼吸方法があるのです。
それが…
↓
を説明できるようにメモしておきましょう
キーワード……横隔膜
腹筋
喉の力加減
- 11 -
コントロール
舌の力
吸う力
‐クラリネット演奏技法講座‐
☆ ロングトーン
なぜロングトーンなのか?
ロングトーンをする意味は?!
音楽・音色・演奏表現の基本!
・ロングトーンをやってみよう
音とは?
開始(アタック)
本体(持続)
終止(レリース)
まずはタンギングをしないで息で音をだそう!
タンギングは後ほど…
・ロングトーン練習
テンポは自由に設定してよいですが…
まずは目標で、力強いffで四分音符60でできるようにしよう!
- 12 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
・どんなことに気をつけて練習しますか?
いかに考えながら内容の濃いロングトーンをするかで上達のスピードが変わる!
・息使い…………呼吸法、息の支え(腹筋)、姿勢、フォーム、音色
音の出るタイミング、強さ、終止音の方向、音の形
・アンブシャー…無理のないよい力のバランスがとれてるか?
吹き込む前の準備 チェックポイントの確認
※息を吸う時に準備してしまう癖をつけよう!
・音色……………自分の音をよく聴き、美しい音のイメージを持つこと!
(詳しくは音色の項目で…)
丸い音、充実した音、奥行きのある音、なめらかな音
明快な音、力強さのある音、豊かな音、優美な音‥
※体も響かせる意識を持とう!
※良い音(生音)を聞く機会をつくろう!
・音程……………ハーモニディレクターなどで確認しながら音程を覚える
音程を頭で歌う(ソルフェージュする)
※頭の中にある正しい音程をめがけて吹こう!
↓
音程を良くする近道です!
※楽器音程チェック用紙の利用
チューナーなどを使い楽器の癖を知っておこう
音程を気にしながらレジスターキー練習もやろう!
音程は楽器自体や仕掛け部分の材質、温度や気候にも左右されます。
これらに対応するために管体の接続部分を抜いて音程を調節する方法が
あります。一般的には
タルと上管:上管と下管:下管とベル
=
2:1:3
の比率で抜くと全体のバランスがくずれないといわれています。
・リズム…………まずはメトロノームを使い拍にあわせリズム感を養う
正確なリズムからの多少のズレが感動を生む場合もあります
ロングトーンでもリズムを感じることは音楽の流れを考え
る上で重要なことなのです!
- 13 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
☆ 表現力アップロングトーン練習(ダイナミクス付)
ここではロングトーン練習で気をつけていたことにプラスして
息のコントロールや楽器の鳴らし方を意識していくことを覚えよう!
まずは基本として機械的なクレッシェンドとデクレッシェンドを
意識してコントロールできるようにしよう!
人間はデクレシェンドが苦手です。なぜなら自然界にあまり見えないことなのです
徐々に遠ざかる表現は人を感動に引き込みます!(映画のスローモーション)
しかし、機械的な練習だけでは音楽にはなりません。大切なのはイメージをもった練
習です。
「遠くの飛行機が横切るような…」
「太陽が昇ってくるような力強い…」など
日頃の練習にイメージをつけて練習することで初めて音楽に近づくのです!
みなさんの様々なイメージを重ねて工夫して練習しましょう。そして、
丁寧な心のこもったクレッシェンドデクレシェンドでよい音楽を目指しましょう!
☆ タンギング
ロングトーンの項目の音とは?を参照しながらタンギングとは何かを理解しよう!
・アタック………打つ、たたく、というイメージを持ってはいけない!
一定の息(息の流れ)を舌で区切っただけ
舌に力を入れすぎない!
・本体、持続……息使い、腹筋のコントロール
・レリース………息・舌を使う 音の形
※音とは?の項目をタンギングをつけてやってみよう!
→ 音を区切る 音を止める
音を出す‥・息の流れが優先 (アンブシャーの準備を忘れずに!)
舌を先に準備する or 息の流れを区切る
※リードの振動はどのくらいの力でとめられるのかを知ろう!
→ マウスピースを逆からすってリードの振動を見る?!
舌で止める力加減を知るために手で止めてみよう
→ 舌で音をミュート!?しよう(舌のコントロールチェック)
- 14 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
※音の出し方(アタック)は大きく分けて3種類(自論)
・ノータンギングの出だし
・息が先で音になる瞬間舌が触れる出だし
・舌でとめてて息がきてから離す出だし
タンギングマスター講座(練習してみましょう)
レガート時の音色と変わらないように区切ったり止めたり離したり!
舌の動作に力が入ったり舌を動かす力が連動してアンブシャーに力がはいってしま
ったり、息がおろそかになってしまうと、音の響きが変わってしまい綺麗なスタッカ
ートにたどりつけなくなってしまいます。力のバランスがかなり難しいかと思います
が、なんとなくではなく強く意識しながら練習を積み重ね、様々な音楽的表現を手に
入れましょう!
- 15 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
3
練習方法
☆ スケール
基礎的要素の総合練習!!
・息(ロングトーン)
・発音(アタック、タンギング)
・音色、音程
・タンギング
初心者でもゆっくりから始めれば徐々に指(運指)も覚えられます。
3Dなどのバンド教本に載っているスケールでも応用できます
パート練習・個人練習でも楽譜を変化させて練習メニューに追加しよう!
※どの練習でも、スラーの音色・音質を大切に!加工しても変わらないように!
※チャレンジ総合練習
様々な基礎的要素の集合練習です!
- 16 -
できる限り気をつけてやってみよう!
‐クラリネット演奏技法講座‐
☆ リズム変え練習法
「ここの指がうまくいかないんですけど、コツを教えてください」という相談が
よくあります。先に結果を言ってしまえばコツはありません。
正確にゆっくりから練習してだんだんと早くなります。訓練と努力が必要です!
ただ、うまくいかない原因として考えられるのは‥・
・指の移り変わりの問題(力加減や機敏さ)
・フォームの問題(ポジションや次の音(運指)への準備)
・変え指の問題(同じ音でも違う運指がある音もあります)
などがあります‥
このリズム変え練習法は、そんな問題たちを見つけられ、またその動きを素早く
できるようにするトレーニングでもあります。
どの指からどの指の動きが苦手なのかを考えながら、
メトロノームを使って遅いテンポから徐々に早くしていきましょう!
まずはだまされたと思ってやってみましょう!
- 17 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
☆ リードミスについて(倍音のお話)
リードミスが少なくなる方法があるんです!!
ちょっと難しいかもしれませんが、しっかりと知識として理解して意識をしながら練
習を重ねていけば、必ずリードミスは少なくなります!
・まずはこの譜面をやってみましょう!
・リードの振動してる感覚が変わるんです
・レジスターキーを使った練習の拡大
バンド教本3Dのアンブシャーの練習は必ずやりましょう!
すごくよい練習だということがわかると
考えながらやろうとします
この考えながらの練習が上達の近道なのです!
下唇の柔軟性を理解できましたか?
ここまでがある程度わかると‥・
アンブシャーでの力の使い方、力加減、どうしてあのような形がよいとされているか
などがいかに大切かわかりますね!
高音域の運指がどうして複雑なのかも説明できるのです。
巻末にある運指表を見て確認してみましょう!
基本的なポイントは、当たりやすくする左手人差し指、音程補正の右手小指、です!
- 18 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
☆ デイリートレーニングについて
学校での練習時間は限られています。効率よくみんなで練習するための基礎合奏と
パート基礎練習をお勧めします。
ショートメニュー(15分)
標準メニュー(30分)
ロングメニュー(45分)
というように、練習メニューを決めておくと良いです。
それぞれの練習が何を目的にやっているのかがとても大切ですので、目標を見失わ
ないように確認しながら練習しましょう。
ある程度のメニュー提案はここでは省略しておきますが、学校単位でのパート基礎
のメニューを教えていただければ、それに沿った練習内容などをプランニングいたし
ます!(いちばん良いのは音を聴いて足りない部分を補えるメニューを組み立てるの
がベストだと思いますが…それは日を改めないとですので…)
共通して必ず入れたい練習は、今までの項目でもあった
・ロングトーン
・アンブシャー(3Dのアンブシャーの練習)倍音の練習
・腹筋・呼吸を意識した練習
・タンギングの練習
です。
参考まで…
☆ なぜ練習するのでしょう?
練習は、はっきり言って退屈で、めんどうで、時にはたいくつで、そして辛いもので
す。やめたくもなるでしょう。では、なぜそのような練習が必要なのでしょうか?
音楽を楽しんで演奏するには技術が必要
技術を体で体得するためには訓練が必要
繰り返しの訓練をしないと音楽を楽しめないのです
音楽をするための技術を体得するのです!
また、本番は一回だけです
音楽を演奏する上での
を身につけるため
- 19 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
緊張とは‥・
本番は緊張しますか? なぜ緊張するのでしょう?
音楽は時間芸術です。音は消えてしまうのに緊張するわけは、人の記憶にのこるから
とも言えます。プロの演奏家でも緊張はするものです。
この緊張が極度にありすぎると、普段より力が入りすぎてしまいリードミスや息が吸
えなくなったり‥・
少しでも緊張を和らげる方法があったら‥・ というご相談への回答です!参考まで
・あきらめましょう!
緊張することを解除するのをあきらめて、より良い音楽を演奏することに集中するこ
とで緊張感は和らぎます!
・演奏に少しでも自信をもって臨もう
日頃の練習での積み重ねが自信につながり、緊張感をへらしてくれるでしょう!
自信をつける練習、不安な要素を減らすことを心がけましょう!
・本番を想定した緊張感ある練習をこなそう
本番と同じ緊張感はなかなか出せませんが、練習する環境を本番に近いものにしたり、
練習時の心境を本番のような感覚シュミレートして、少しでも慣れを経験しておきま
しょう。
本番
4
より良い音楽ができるようできる限りの準備で臨もう
音色・音質について
タンギング、指まわしについで多いのが、音色(特に高音域)についての質問です。
まず一番大切なのは、ロングトーンでも書いたとおり音のイメージを持つことです。
実際にプロの演奏家の音を聞くことは一日の練習に匹敵するほど重要なことです。
どうすればイメージの音に近づいていけるかを考えることが大切です。
ちょっと難しい話になりますが、ここでは科学的に音の出る原理を理解して、音色
の違いはどこでつくられるのか?を考えて見ましょう!
クラリネットの音が出るしくみの説明
音とは、振動が空気中で伝わり音として聞こえます。クラリネットではリードを使
って息を吹き込み圧力の変化を利用して空気を振動させて音が出ます・
- 20 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
マウスピースをくわえて息を吹き込む
息がマウスピースとリードのすき間になだれ込むので、スピードが速くなります
すき間に速い息が流れるので、マウスピースの中の圧力と口の中の圧力に差ができます
マウスピースは硬いので、薄いリードがマウスピース側に吸い寄せられます
最後にはマウスピースとリードのすき間がふさがれます
この状態で、「1 回」だけ「ぽ」と鳴ります
ふさがった瞬間、速い息が流れなくなり、リードはその硬さのため、元の位置の方へ戻
ります。曲げた板バネが戻るのと同じです
8. リードが元に戻ると、すき間ができます
これらの繰り返しで「ぽ」が「ポーーー」と聞こえます。
クラリネットの楽譜でト音記号第3線 A 音では、1 秒間に 442 回もくり返されます。
吸い寄せられて閉じて音が1コ出て離れて…が 1 秒に 442 回です。
これで一つのつながった音にきこえるのです
もちろん楽器やリード、マウスピースによって音色が創られるのはわかりますね?
(材質や振動を伝える構造が微妙に変わると響き方や波形が変わるからです)
では、同じ楽器やリード、マウスピースで違う人が吹いたらどうなりますか?
音がかわりますよねー
なぜでしょう?
それは、音が楽器だけで創られていないからです!どこが関係してるのでしょう?
簡単ですね。体です! 音(振動)は楽器だけでなく体にも伝わってくるんです。
ということは、体をつかってどうやって響かすかがとても大切になります。
音の伝わる流れ
↓
腹腔⇔横隔膜⇔肺⇔気管⇔喉頭蓋⇔声道(喉、口腔、舌、顎)
⇔唇(歯)⇔リードとマウスピース⇔管⇔ベル
これだけでなく、骨や肉まで響かせられたらすごいことになりますねー
ここで少々脱線しますが、美しい音とは? 科学的に…!
単に弾かれた音が美しいと感じるのではなく、その音に含まれる倍音の美しさなので
す。…なのだそうです…
- 21 -
‐クラリネット演奏技法講座‐
倍音を人間が感じる感性に対しての研究はあまり進んでなく、説明が曖昧でもうしわ
けないのですが、この倍音をうまく利用する事が美しい音を出す鍵となるそうです。
ということは、より響きを求め倍音を多く響かせることが美しい音に近づくのではな
いでしょうか?
さて、話を戻します。体を響かすのは難しいですねー
様々なことが音色に関係してることは理解できたと思うので
ここでのポイントは2つ
・喉を開いて空間に響かせる
・口腔の空間に響かせる
これらが音色に大いに関係してくるので、常に研究がひつようですね!
音色に悩んでる人の多くは、息を十分に出せていなくて(使えてなくて、または暖
かい息やスピードのある息ということも関係してきます)リードが十分に振動してい
ない場合や、自分に合った仕掛け(マウスピースやリードなど)が選択できてない場
合が多いです。
実際人によって違いがあるので、個人的に見てもらったりすることをお勧めします。
ここでは仕掛けの種類などを簡単にまとめておきます。
☆ 締金(リガチャー)とマウスピース、リード
マウスピース、締金、選ぶ規準
1.音程………Oct、レジスター、かえ指
2.音色音質…思い通りの音をだせるか
3.安定性……Oct、レジスター、スケール(音の均一性)
4.反応………コントロール(アタック、タンギング、息の入り pp-ff)
※ たるとの接続があっている方が良い(マウスピース)
これらを購入する際にはなるべく一人で選ぶのではなく、実際の音を聞いてもらい
ながら選ぶとよいでしょう。
専門の先生にアドバイスを受けながら選んでもらえるとなおよいでしょう。
締金(リガチャー)
・2つネジの締金……締め具合でいろいろな角度に圧力を調節できる
上を締めて、下を軽く締める 締め方の工夫をしよう
注意固く締めすぎない…リードを傷め、反応が鈍くなる
・金属板などのある締金…平均な力でリードをおさえる
・材質……金属、皮、ゴム、ひも、etc
・前締め、逆締め
・締金の取り扱い
曲げない、落とさない、リードを付けてマウスピースとしまう、専用ケース
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‐クラリネット演奏技法講座‐
マウスピース
エボナイト、クリスタル、プラスチックなどの素材で作られる。
ティップオープニング開きの大小、フェイシングの長さによってさまざま
一般的には‥ティップの開きが大きければたくさんの息が必要です。
・マウスピースの取り扱い
先端、フェイシングを傷つけない、落とさない、傷つけないよう拭く、洗う
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‐クラリネット演奏技法講座‐
リード(ケーン)
リードは変化する……気温、湿度、使用頻度、水分の含み具合
弾力性、抵抗感、吹奏感
→
音色(質)、コントロールに影響
・4,5枚を順に使う…1枚のリードに馴れすぎるのを避ける
↑
1つのリードに馴れすぎると、そのリードの特性は良く知
ることができるが、微妙な変化がわからない可能性がある
又、リードに負担が大きい
・箱を開けたら……すべて吹いてみて、特性を書きとめる など
新しいリードは変化しやすい
・リードの選び方
反応、コントロール(アタック、タンギング、息の入り)は良いか?
音色(質)は思い通りに出ているか?
吹奏感、抵抗感はどうか?
注意
リードを選ぶときはリードにアンブシャーを合わせすぎない
リードのクセに自分が合わせるのはあまりお勧めできません
・リードの調整
リードの裏は平らか?
左右のバランスは?
抵抗感は程よいか?
細かい繊維のけばはないか?
少し厚く感じるもの、少し手を
加えたら良く鳴りそうなリード
手を加えてみる
(耐水性、紙やすり、etc)
今、使えないリードでもマウスピースが変わったりした時など、将来
使える可能性もあるのでとっておこう!
・リードの取り付け方
リードを湿らせ、マウスピースの先が髪の毛 1 本分見えるくらいにと
りつける。(一般論)
自分でわざとずらして確かめてみよう(抵抗のポイントが変わります)
少し上に取り付ける・・・抵抗感が増す?!
少し下に取り付ける・・・抵抗感が減る?!
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‐クラリネット演奏技法講座‐
リードとアンブシャーの関係
よくアンブシャーがきつすぎるために音が細くつぶれたような音になってしまっ
ている場合がよくあります。よいリードはたとえアンブシャーを緩めて吹いてみて
も素直に息が入りしっかりとした音を出すことができます。また厚すぎるリードを
無理やり鳴らして逆にアンブシャーに負担をかけて詰まった音になってしまってい
る場合もあります。リードにアンブシャーを合わせないように選びますが、リード
の性質がアンブシャーに影響を与える場合もあるので注意が必要でしょう。
リードの強度と構造
リードには各ブランドによってカットされる厚さの違いやカットの方法の違いが
あります。また材料の繊維の弾力によって、「硬い」「やわらかい」という強度の幅
があります。これがいわゆるリードが「厚い」
「薄い」などと呼ばれている正体です。
(厚さは変わらないそうですよ)
ここでは、リードの構造とカットの違い、各ブランドの強度比較チャートを載せ
ておきます。マウスピースの開きやフェイシングの長さにより強度の感じ方は変わ
りますので、参考程度にご活用ください。
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‐クラリネット演奏技法講座‐
5
特殊奏法
様々な演奏方法がありますが、いくつかご紹介しておきます。
基本的な奏法を学んでから練習しましょう。
・グリッサンド、ピッチベンド …… 音をつなげて上昇下降。
→喉を下げるように音程を宙ぶらりんな状態に、指を滑らせて音程をつなげる。
・フラッター …… 連続的で激しい揺れの音。
→巻き舌をしながら息を入れる。舌を喉の方にもって奥でやると綺麗に
・スラップタンギング …… 破裂したような打音が混ざった音。
→リードを舌にくっつけて離すと同時に息を入れる。くっつける練習が必要意
・重音
…… 倍音をつかって2つの音を同時に出す。
→重音の運指があります。クラリネット構造上から出る音は限られる
・微分音
…… 半音の半音。1/4音、3/4音などがある。
→運指を探すことが必要。
・同音トリル …… 同音でのトレモロ
→運指の都合でできない音もあります。例…開放のソで下管のキーをトリル
・ハイパーピアニッシモ …… かすれるほど小さい音
→音になる瞬間の息の加減を覚える。
・キーノイズ …… キーを叩いて出す音
→叩きすぎると楽器によくないのでほどほどに・・・
・声を交える音 …… 吹きながら声を発生する
→吹いてる音と違う音程の音を発声すると振動がおこるのでちょっと気持ち悪
くなる人も・・・
・歯をリードに当てる奏法 …… 虫の鳴いたようなハイパー高音域
→歯をリードに軽く当て、息を入れる。
・ハッシュノイズ
…… 低音から出る不確定なノイズから高音域までを浮遊音
→低音から口をゆっくり緩める。息が少なくなるにしたがって高音域にあがる
・ダブルタンギング …… 高速タンギング
→Tu.ku.tu.ku と舌でのタンギングと息で音を区切るの繰り返し
・グロートーン …… がなるような音
→がなりながら息を吹き込むことによって音を割る
・ファズトーン …… 割れたような音
→のどを震わしながら息を吹き込むことによって音を割る
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‐クラリネット演奏技法講座‐
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クラリネット関係情報
個人的な趣味が入ってしまいますが、オススメなクラリネット情報です。
ご参考まで・・・
☆演奏団体 オーケストラ 吹奏楽 など
日本クラリネット協会
NHK交響楽団
群馬交響楽団
佼成ウインドオーケストラ シエナ・ウインドオーケストラ
オブロークラリネットアンサンブル
クラリネット合奏団「夜桜」
☆名クラリネット奏者
レオポルド・ウラッハ
エルンスト・オッテンザマー
ザビーネ・マイヤー
ギュ・デュプリュ
ベニー・グッドマン
アルフレート・プリンツ
カール・ライスター
ディーター・クレッカー
ミッシェル・アリニヨン
スタンリー・ドラッカー
ペーター・シュミードル
ベンツェル・フックス
ジャック・ランスロ
レジナルド・ケル
☆エチュード(練習曲・曲集)
初級
グルーサン/クラリネットのための合理的原則・音階と分散和音
ランスロ/クラリネットの初歩・26のエチュード
20のやさしい練習曲・33の練習曲
クローゼ/クラリネット教本
ラーン・トゥ・プレイ最新クラリネット教本 Book12 全音楽譜出版社
アルフレート・プリンツ/プログレッシブユーブンゲン
中・上級
ロルフアイヒラー/クラリネットのためのスケール
ローズ/32のエチュード
ランスロ/練習曲
クレプシュ/416の斬新的練習曲
ブランクー/40の練習曲
クローゼ/日課練習課題
ドゥレクリューズ/20のやさしい練習曲
ガンバロ/20の奇想曲
カバリーニ/30の奇想曲
ウール/48の練習曲
☆クラリネット曲
ソロのコンクールなどでよく演奏されるものには※をつけています。
その他の曲すべてクラリネットの名曲です。
ベリオ/クラリネットのための歌曲
バーンスタイン/ソナタ
ブラームス/Quintet、Trio、ソナタ1番・2番
ショーソン/アンダンテとアレグロ
フィンジ/5つのバガテル
ヒンデミット/ソナタ
メサージェ/コンクールの独奏曲
プーランク/ソナタ※
ロッシーニ/主題と変奏
シュターミッツ/コンチェルト3番※
ウェーバー/コンチェルティーノ※
序奏、主題と変奏※
メンデルスゾーン/演奏会用小品1・2番
サンサーンス/ソナタ※
ストラビンスキー/3つの小品
ボザ/牧歌、イタリア幻想曲※
ブルグミュラー/デュオ
ドビュッシー/第一狂詩曲
フランセ/コンチェルト
クロンマー/コンチェルト
モーツァルト/Quintet、協奏曲
ラボー/コンクールのための独奏曲※
シューマン/幻想小曲集、3つのロマンス
テンプルトン/ポケットサイズソナタ
コンチェルト1・2番
ヴィドール/序奏とロンド
クロンマー/コンチェルト※
その他、室内楽・アンサンブル・オーケストラ・吹奏楽、クラリネットの活躍する曲は多数あります!
まずは興味をもってさまざまなクラリネットの曲をきいてみましょう。
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‐クラリネット演奏技法講座‐
☆コンクール
大方のコンクール情報ですが、ここに書かれていないコンクールもあります。
大切なことは、目的を失わないこと。
個々の技術の向上、名を広げたい、実力を試したい、賞金目当て、音楽を評価してほし
い、実力を試したい…
理由は人それぞれさまざまですが、出るからには全力を尽くしましょう!
結果によっては落ち込んだりやる気そのものも損ねる場合がありますが、そこで努力
した結果は必ず自分の糧となっています。1度、2度で懲りずに挑戦することが、結果
に近づき技術や音楽表現の幅を増やしてくれることでしょう!
自分の音楽のためにもどんどんコンクールを利用しましょう。
また、こういったコンクールの情報は待っていても得られません。インターネットや雑誌
などから情報をすばやく得ることも必要なことと言えるでしょう。URL を記載しました
ので調べてみてください
聞いてもらう本番に大小はないのですが、コンクールの規模や受験者のレベルなどか
ら「☆」の数で表してみましたので参考まで…
・国際コンクール
開催場所はそれぞれの国です。その他さまざまなコンクールがありますが、世界的に
も認められている権威あるコンクールで入賞することで世界的なプレイヤーになって
いく方が多いです。
プラハの春国際音楽コンクール ☆☆☆☆
http://www.festival.cz/
チェコの首都プラハで開催されるプラハの春音楽祭において開催される若手音楽
家のための音楽コンクール。
ミュンヘン国際音楽コンクール ☆☆☆☆
http://www.br-online.de/br-klassik/ard-musikwettbewerb/
ドイツ公共放送連盟(ARD)主催で、毎年ミュンヘンで行われている国際音楽コンク
ール。世界の権威ある国際コンクールの中でも、歴史と伝統のある難関なコンクー
ルとして知られている。
ジュネーブ国際音楽コンクール ☆☆☆☆
http://www.concoursgeneve.ch/
スイス、ジュネーヴで毎年開催されるクラシック演奏家のためのコンクール。
カール・ニールセン国際音楽コンクール ☆☆☆
http://www.odensesymfoni.dk/cncomp/
ヴァイオリン・コンクール、フルート・コンクール、クラリネット・コンクールの3種類が
ある。それぞれニールセン作曲のヴァイオリン協奏曲、フルート協奏曲、クラリネット
協奏曲を演奏する
イタリアトリノ国際クラリネットコンクール「マルコ・フィオリンド」 ☆☆
http://www.fiorindo.org/
イタリアのトリノで行われるクラリネットのコンクール。室内楽部門、ヤング・クラリ
ネット部門(18 歳以下)、ソロ・クラリネット部門 (1971 年以降生まれの人)がある、
2008年度で第7回を数える。
・日本のコンクール
日本の各地で行われるコンクールです。以下最初の4つのコンクールは日本クラリネ
ット界においてかなりの権威があります。
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‐クラリネット演奏技法講座‐
日本音楽コンクール(クラリネット部門)☆☆☆☆
http://oncon.mainichi-classic.jp/
http://oncon.mainichi-classic.jp/result2009.shtml
毎日新聞社と日本放送協会が共催で開催。1932年に創設。楽壇最高の登竜門とし
て知られている。クラリネット部門は4~5年毎に開催。最近国際コンクールなどに近
い難曲が課題曲となっておりレベルは高い。
日本管打楽器コンクール(クラリネット部門)☆☆☆
http://www.jmecps.or.jp/
日本音楽教育文化振興会が主催する管打楽器のコンクール管打楽器の11部門で開
催。クラリネット部門は3年に1回開催。レベルは高い。
日本クラリネットコンクール ☆☆☆
http://www.jp-clarinet.org/
日本クラリネット協会が主催するコンクール。第1回コンクールを1984年に開催、現
在までに6回開催(4年に1回)されています。
日本木管コンクール ☆☆☆
http://www.core-yashiro.or.jp/free/youkou2.pdf
東条町文化会館コスミックホールで1990年よりで始められた木管楽器のコンクール。
フルート、クラリネット部門とフルート部門が隔年で開催される。このコンクールの特色
は、地元住民や音楽愛好家など有志たちによる400人余りボランティアスタッフによ
り運営されている。
開催地が兵庫県と遠いのですが、コンクール後に講評がいただけます。
東京音楽コンクール ☆☆
http://www.t-bunka.jp/onkon/onkon.html
東京文化会館、東京都が主催するクラシック音楽のコンクール。
最近は難曲が課題となっておりレベルが高くなっている
コンセール・マロニエ 21 ☆☆
http://www.sobun-tochigi.jp/
財団法人とちぎ生涯学習文化財団が主催。審査部門は、ピアノ部門、木管楽器部門(フ
ルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット)、弦楽器部門、声楽部門である。MD 提出によ
る事前審査(一次審査)(二次審査)、コンセール・マロニエ 21(本選)参加者を選考する
日本クラシック音楽コンクール ☆☆
http://www.kurakon.net/
日本クラシック音楽協会主催。地区予選~本選~全国大会まで
KOBE 国際音楽コンクール ☆☆
http://www.musicsatoh.com/
国際都市神戸をはじめとする被災地の復興を支援すると共に、音楽を通して大きな可
能性を持った青少年の育成と、感性をさらに磨き育む登竜門として実施。
日本ジュニア管打楽器コンクール ☆☆
http://www.jmecps.or.jp/
日本音楽教育文化振興会が主催する管打楽器のコンクールで日本管打楽器コンクー
ルのジュニア対象
ヤング・クラリネッティストコンクール ☆☆
http://www.jp-clarinet.org/
日本クラリネット協会が主催する20歳以下の若いクラリネット奏者を対象としたコン
クール。1999年より2年毎に開催しています。
クラリネット・アンサンブルコンクール ☆
http://www.jp-clarinet.org/
日本クラリネット協会が主催するコンクール。クラリネットのアンサンブルの楽しさを通
じ、豊かな音楽性と音楽の基本及び技術の向上をはかることを目的として毎年開催。
日本アンサンブルコンクール
http://www1.ocn.ne.jp/~k.music/
室内楽でのコンクール
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‐クラリネット演奏技法講座‐
日本芸術センター記念室内楽コンクール
http://www.art-center.jp/tokyo/chamber/
最近開催された室内楽コンクール、編成は自由だがオリジナル曲で時代の指定あり
全日本演奏家協会
http://www.anp.gr.jp/
さまざまなコンクールを行っている。
東京国際芸術協会
http://www.tiaa-jp.com/
さまざまなコンクール、オーディションを行っている。アンサンブルでの参加も可能のも
のもある
大阪国際コンクール
http://osakaimc.com/
さまざまなコンクール、オーディションを行っている。アンサンブルでの参加も可能のも
のもある
大阪国際室内楽コンクール
http://www.jcmf.or.jp/
日本室内楽振興財団が主催
下倉楽器ソロコンテスト
http://www.shimokura-gakki.com/wind_instrument/solo2008.html#top
日本管弦打楽器ソロ・コンテスト
http://www.toho-music.ac.jp/index_j.html
東邦音大のコンクールです
☆楽器店
・下倉楽器
http://www.shimokura-gakki.com/
・ ISHIMORI 楽器
http://www.ishimori-co.com/
・DAC
http://www.kkdac.co.jp/cgi-bin/top/top.cgi
・ウインドクルー (山野楽器)
http://www.yamano-music.co.jp/docs/hard/windcrew/index.html
・サトテクノミュージック
http://homepage2.nifty.com/stmusic/
・The Clarinet Shop
http://www.clarinet-shop.co.jp/shop/top.cgi
・クラムポン
http://www.buffet-crampon.com/jp/index.php
・ヤマハ銀座店
http://www.buffet-crampon.com/jp/index.php
・Dolce楽器
http://www.dolce.co.jp/index.shtml
管楽器店が多い大久保(ISHIMORI、DAC、ウインドクルーなど)
大抵リードなどの小物関係は代引きにしてもらい郵送してもらうと交通費より経費がかからない場合が多い。
マウスピース・リガチャーは楽器本体を持参し、試奏し選定しましょう。
事前に欲しい銘柄がわかっているなら複数からの選定が可能かどうか在庫の本数などを電話確認するとよい。
(同じ
銘柄でも微妙に相性やクセがあるため)
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‐クラリネット演奏技法講座‐
☆楽譜店
・アカデミアミュージック
https://www.academia-music.com/
・ビュッフェ・クランポン株式会社
http://www.buffetcrampon.jp/music/
楽譜については
・ヤマハ銀座店・ヤマハ池袋店・山野楽器(銀座店)・アカデミアミュージック
・ビュッフェ・クランポン株式会社・ TheClarinetShop
などで電話、もしくはネットで検索して代引き等で郵送してもらう手段もよい。
楽器屋にも楽譜は置いてある店が多いが以上の店は特に力を入れているようである
また、吹奏楽譜には専門的に扱っているところも多い。
さらにその他アンサンブルなどのレンタル楽譜屋もある
・ビムス・エディションズ
http://www.bmseditions.com/
・アコード出版
http://www.accord-publishing.jp/
・楽譜ネット
http://www.gakufu.ne.jp/GakufuNet/
☆吹奏楽情報
雑誌
Web
パイパース
音楽の友
TheClarinet (クラリネット専門雑誌)
吹奏楽マガジン BandPower
http://www.bandpower.net/
音楽用語辞典
http://www.music-tel.com/ez2/g2/index.html
☆演奏会情報
Web ぶらあぼ
http://www.mde.co.jp/
音楽の友社コンサートガイド
http://www.ongakunotomo.co.jp/concert/
コンサートスクウェア
http://www.concertsquare.jp/concert.php
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‐クラリネット演奏技法講座‐
7
おわりに…(演奏について)
クラリネット(楽器)で演奏するに当たって三つの大切な要素があります。
たとえば、神様が演奏するのに三つだけ能力をくれるとしたら何をもらいますか?
この三つをバランスよく身につけていくことが
楽器演奏上達の極意でありより良い演奏家への近道!
☆ 上手くなるためには
・練習する……可能な限り時間を使い、集中して練習するしか上達の道はない!
・音楽を聴く…良い作品、良い演奏をあらゆる手段を使ってたくさん聴くことが
音楽センスを磨く方法である!
☆ 音楽をする!
音楽の三要素
リズム
メロディー
ハーモニー
・譜面では表しきれないグルーブ感(ノリ)や、
表情、間、などが存在する!
・さまざまな音楽を聴き表現方法などを学び、考え
体験することで自分の音楽性を育てる!
音楽をする喜び
クラリネットは単音楽器です。ハーモニーのある音楽をしたい場合、一人では演奏で
きません。アンサンブルや合奏は人とのコミュニケーションに似ています。
クラリネットを通してさまざまな人間関係、また悩みもあると思いますが、演奏でき
る喜びを感じ、少しでも人生を豊かにしてくれる音楽を楽しみましょう!
質問はこちらまでどうぞ!
[email protected]
Klarinette
すなが ますみ
HP http://machu.mods.jp/
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‐クラリネット演奏技法講座‐
(ふろく)
一人で練習に没頭することも大切ですが、単音楽器のクラリネットにとってアンサンブル
や合奏など、合わせる感覚を覚えていくことは大切であり、音楽を楽しむ上でも必要なので
す!(音楽自体がコミュニケーションですよね!)
アンサンブルの基本は2重奏からです!ここでは、何曲か付録として楽譜を載せておきま
す。楽譜には音符のほかに様々な音楽のヒント情報がかくされています。
(作曲家の意図もあ
りますね)演奏家はしっかりと読み取って、自分の想いやイメージをのせて演奏しましょう!
そして、自分以外の人の感覚を読み取りながら、自分の感覚を出しながら、音でコミュニケ
ーションをとりながら合わせられれば、すばらしい音楽につながることでしょう!
最近では演奏を容易に録音できます。録音して客観的に聴いてみるのもよいでしょう!
ただ、感覚は生のライブが1番ということを忘れず!発表できることに感謝して精一杯の演
奏を心がけましょう!
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