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Press Release 大分労働局 平 成 2 7 年 4 月 2 0 日 【 照会先 】 大分労働局労働基準部 健康安全課長 報道関係者 六田 克美 地方産業安全専門官 池辺 雅文 電 話 536−3213 携 帯 090-3329-2127 各位 大分県下における平成 26 年の労働災害発生状況 ∼ 死亡者数は過去2番目に少ない 10 名、休業災害は前年比 7.4%の増加 大分労働局(局長 ∼ 南保昌孝 なんぽまさのり)は、平成 26 年中に発生した大分労 働局管内における労働災害発生状況を次のとおり取りまとめた。 第1 県下の労働災害発生状況 1 死亡災害は平成 25 年(過去最少)の更新はならず、歴代2位となった。製造業・ 建設業で5名ずつ発生した。 2 休業4日以上の死傷者数は、年前半の 22%増加(全国ワースト2位)から、7.4% 増加まで低下したものの、昭和 30 年以降最大の増加率となった。 3 業種別の死傷者数は、①製造業 ②建設業 ③商業の順に多く、製造業と建設業 が再び逆転した。 4 増加率が大きいのは(発生件数 20 件未満を除く)①運輸交通業 33.7% 楽業 29.5%(うち飲食店 91.7%) 5 ②接客娯 ③保健衛生業 27.6%であった。 事故の型は業種ごとに際立っており、商業、保健衛生業では転倒がそれぞれ 38.7%、 45.0%を占め、製造業では機械等にはさまれたり、巻き込まれる災害が 26%を占め た。建設業では転落・墜落による災害が 30.6%を占めた。 第2 労働災害増加の原因について 労働災害が増加した原因については一概に特定できないが、次の要因が考えられる。 労働災害はほとんどの業種で増加しているが、増加の伸びが著しい業種は、社会福 祉施設、陸上貨物運送業、飲食店等、他業種より人手不足感の強い業種であった。 また、これらの業種では被災労働者が、比較的高齢であることも特徴の一つである。 一方、労働災害にはつながらなかったものの爆発等が多発したのも平成 26 年の特 徴であった。労働災害発生件数の低下による労働災害の経験の減少、安全衛生業務の 世代間承継が必ずしも円滑に行われていないこと等を背景にして、製造業の一部で安 全衛生管理体制の「ほころび」、「ゆるみ」が懸念された。 業種毎の労働災害の型が業種ごとに際立っているのも特徴的で、その部分での対策 の不足が浮き彫りになったといえる。 これらの要因が複合的に影響して、労働災害の発生件数を押し上げたと考えられる。 第3 大分労働局での今後の主な取組 労働局及び労働基準監督署では、労働災害を発生させた事業場に対する臨検監督及び 個別指導を強化するとともに、労働災害防止団体等と連携して安全パトロール等も実施 することとするが、平成 27 年度は、新たに下記の事項にも取り組むものとする。 ・当局の作成した「安全の見える化事例集」を活用し、職場に潜む危険要因を「見える 化」するよう指導する。 ・転倒災害防止対策の徹底を図ることとし、6月を重点取組期間に設定し、職場巡視 点検の実施を行うよう指導する。 ・「交通労働災害防止のためのガイドライン」に基づき、適正な走行計画の作成、適正 な労働時間の管理等の対策を行うよう指導する。 1 労働災害の推移 (資料 1 参照) 大分労働局管内における平成 26 年の死亡者数については 10 人となり、平成 25 年 の8人と比較して2人(25.0%)増加し、統計を取り始めた昭和 26 年以降過去2番目 に少なかった。 しかしながら、休業4日以上の死傷者数(死亡者及び休業4日以上の被災者数。以 下「死傷者数」という。)については、 「第 12 次労働災害防止計画」の2年度であった にもかかわらず、1,264 人と平成 25 年(1,177 人)と比較して 87 人(7.4%)増加し、 2年間連続して増加した。 当局においては、平成 25 年度から平成 29 年度までの5年間、「第 12 次労働災害 防止計画」を策定しており、平成 25 年から 1 年間に3%ずつ減少させることとして いるが、平成 25 年の死傷者数は 1,177 人(対前年 3.1%の増加)、平成 26 年の死傷者 数は 1,264 人(対前年 7.4%の増加)と 2 年連続して増加し、目標の達成がますます困 難な状況となっている。平成 26 年の死傷者数の対前年増加率を都道府県別にみると、 全国ワースト2位(速報値:全国の死傷者数は5月に確定)であった。また、死亡者 数については、「計画期間中の総数を 70 人以下とし、年間 13 人以下」を目標として いるところ、 「年間 13 人以下」は達成できたものの、死亡災害の撲滅には至らなかっ た。 2 平成 26 年における休業4日以上の労働災害発生状況+ (1) 業種別労働災害発生状況 (資料2参照) 業種別の死傷者数は、平成 25 年と比較すると、農林水産業を除くほぼ全業種で 増加しており、特に、「製造業」、「運輸交通業」、「保健衛生業」及び「飲食店」の 増加が著しい。 「製造業」における死傷者数は 258 人で、平成 25 年と比較して 18 人(7.5.%) 増加し、全産業に占める割合は 20.4%であり、全業種中において、最も多い割合を 占める業種となった。 「運輸交通業」における死傷者数は 115 人で、平成 25 年と比較して 29 人(33.7%) 増加し、その内訳は道路貨物運送業で 17 人(23.3%)、道路旅客運送業で9人(75.0%) 増加した。 第三次産業における死傷者数は 549 人で、全産業の 43.4%を占め、平成 25 年と比 較して 70 人(14.6%)増加した。第三次産業のうち、特に、保健衛生業の「医療保 健業」は 14 人(50.0%)、 「社会福祉施設」は 10 人(14.9%)、接客娯楽業の「飲食店」 は 33 人(91.7%)、増加した。 一方、 「建設業」における死傷者数は 255 人で、平成 25 年と同数であった。また、 「農林業」における死傷者数は 60 人で、平成 25 年と比較して 26 人(▲30.2%)減 少した。 (2) 事故の型別労働災害発生状況 (資料3参照) 事故の型別の死傷者数は、「転倒」が 335 人(構成比率:26.5%)で最も多く、次 に、「墜落・転落」が 214 人(構成比率:16.9%)、「はさまれ・巻き込まれ」が 144 人(構成比率:11.4%)の順であった。平成 25 年と比較すると、 「転倒」が 62 人、 「は さまれ・巻き込まれ」が 21 人、「動作の反動・無理な動作」が 19 人、「交通事故」 が 14 人それぞれ増加し、 「墜落・転落」が 10 人、 「切れ・こすれ」が 18 人、 「飛来・ 落下」が8人減少している。 また、熱中症による死傷者数は、平成 25 年に 12 人(うち死亡1人)であったも のが、平成 26 年は4人と大幅に減少し、死亡者も発生しなかった。 さらに、交通事故による死亡者数は平成 25 年と同数の3人であった。 3 平成 26 年における死亡災害発生状況 (資料4参照) 平成 26 年における労働災害による死亡者数は 10 人と、過去最少であった平成 25 年の8人と比較して、2人(25.0%)増加したものの、過去2番目に少なかった。 業種別の死亡者数は、 「製造業」と「建設業」が5人ずつで、平成 25 年と比較して いずれも3人ずつ増加した。 死亡災害の事故の型別では、「はさまれ・巻き込まれ」が5人と最も多く、次いで 「交通事故」が3人で、「崩壊・倒壊」、「おぼれ」がそれぞれ1人となっている。 4 平成 26 年における重大災害の発生状況 平成 25 年は発生しなかった一度に3人以上が被災する重大災害(以下、 「 重大災害」 という。)は、平成 26 年においては5件発生し、そのうち4件が交通事故であった。 5 大分労働局における今後の取組 大分労働局では、大分県内の死傷者数の 26.5%を占めている転倒災害防止対策の 徹底を図ることとし、6月を重点取組期間に設定し、県内の労働基準監督署で行われ る「全国安全週間説明会」において、事業場に対して安全委員会などにおける転倒災 害防止対策の検討やチェックリストを活用した職場巡視、点検の実施を指導する。 別添「STOP!転倒災害プロジェクト 2015」参照 また、交通事故による死亡事故は、製造業及び建設業において発生し、建設業及び 商業においては重大災害も発生したことを踏まえ、「交通労働災害防止のためのガイ ドライン」に基づき、安全管理者、運行管理者等の交通労働災害防止に関係する管理 者を選任し、適正な労働時間の管理、適正な走行計画の作成し、睡眠不足や体調不良 などで正常な運転ができないと認められる場合は、運転業務に就かせない等、必要な 対策を取るよう指導する。 別添「交通労働災害防止のためのガイドライン」参照 そのほか、大分労働局の独自の取組として、事業場の自主的な安全衛生活動を促進 するため、当局の作成した「安全の見える化事例集」を活用し、職場に潜む危険要因 を見える化するよう積極的な指導を行う。 別添「安全の見える化事例集」参照 業種別には、 「製造業」については、 「はさまれ・巻き込まれ災害」等の死亡災害や 障害を伴うような重篤度の高い労働災害を減少させるため、コンベヤー等の動力機械 の取扱に当たって潜在的な危険性を低減させる活動を積極的に推進させることとす る。 また、石油 コンビナート等における爆発火災等の重大事故が発生しないよう、リ スクアセスメント等の必要な安全対策の周知徹底を図る。 「建設業」については、「墜落・転落災害」や「建設機械」に係る災害防止を目的 とした臨検監督や安全衛生パトロール等を強化することとする。また、建設機械を使 用する作業について、昨年、県内で建設機械の転落災害が発生したが、運転者がシー トベルトを着用していたため、軽傷で済んだ労働災害も発生しており、引き続き「大 分県建設機械シートベルト着用運動」の普及促進を積極的に推進していくこととする。 「熱中症」についても、夏季に暑熱な屋外環境で作業を行う建設業及び警備業等に 予防対策の周知徹底を行うこととする。 「道路貨物運送業」については、荷役作業で多発している墜落・転落災害防止のた めの保護帽の着用等の指導を行うとともに、荷主等へも必要な指導を図る。 「第三次産業」については、年々、労働災害が増加しており、労働災害全体に対す る割合が増加傾向にあることを踏まえ、第三次産業のうち、「小売業」「医療保健業」 「社会福祉施設」「飲食店」等を重点対象として、職場の安全担当者の配置及び安全 活動の促進を図ることとする。 法令違反等を理由に重篤な労働災害を発生させた事業場に対しては、同種労働災害 を繰り返させないため、刑事事件の立件を含め、厳正に対処することとしている。 資料2 平成26年 労働災害発生状況 (確定) 大分労働局 年月 業種 01 食料品製造 02 繊維工業 03 衣服その他の繊維 04 木材・木製品 05 家具・装備品 06 パルプ等 07 印刷・製本 08 化学工業 09 窯業土石 10 鉄鋼業 11 非鉄金属 12 金属製品 13 一般機械器具 14 電気機械器具 15 輸送機械製造 16 電気・ガス 17 その他の製造 01 製造業 02 鉱業 01 土木工事 02 建築工事 03 その他の建設 03 建設業 01 鉄道等 02 道路旅客 03 道路貨物運送 04 その他の運輸交通 04 運輸交通業 01 陸上貨物 02 港湾運送業 05 貨物取扱 01 農業 02 林業 06 農林業 01 畜産業 02 水産業 07 畜産・水産業 01 卸売業 02 小売業 03 理美容業 04 その他の商業 08 商業 09 金融広告業 10 映画・演劇業 11 通信業 12 教育研究 01 医療保健業 02 社会福祉施設 03 その他の保健衛生 13 保健衛生業 01 旅館業 02 飲食店 03 その他の接客 14 接客娯楽 15 清掃・と畜 16 官公署 01 派遣業 02 その他の事業 17 その他の事業 合 計 25年 (確定) 死亡 死傷 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 2 0 1 1 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 1 8 61 1 0 29 9 3 2 7 22 7 2 29 10 1 43 0 14 240 3 98 105 52 255 1 12 73 0 86 1 1 2 25 61 86 17 9 26 20 132 1 18 171 10 2 15 8 28 67 3 98 37 36 22 95 55 0 1 24 25 1,177 増減 26年 (確定) 死亡 死傷 1 0 0 1 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 0 0 5 0 2 2 1 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 10 52 3 2 30 10 3 3 16 22 7 1 39 10 6 34 1 19 258 6 81 117 57 255 4 21 90 0 115 1 2 3 14 46 60 13 5 18 20 138 5 10 173 13 0 18 5 42 77 6 125 35 69 19 123 58 0 0 34 34 1,264 死亡 死傷 1 0 0 1 0 0 0 0 -1 0 1 0 0 0 1 0 0 3 0 1 1 1 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -1 0 0 -1 -2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -1 0 0 -1 -1 2 -9 2 2 1 1 0 1 9 0 0 -1 10 0 5 -9 1 5 18 3 -17 12 5 0 3 9 17 0 29 0 1 1 -11 -15 -26 -4 -4 -8 0 6 4 -8 2 3 -2 3 -3 14 10 3 27 -2 33 -3 28 3 0 -1 10 9 87 備考 資料4 平成26年死亡労働災害発生状況 発生月 № 時間帯 1 業 種 (中分類) 4月 土木工事業 18時台 4月 2 土木工事業 被 災 者 性別 職種 経験年数 事故の型 男性 作業員 3日 男性 職長 はさまれ・巻き込 まれ 建設機械 交通事故(道路) 19年 動力運搬機 4月 男性 交通事故(道路) 建築工事業 16時台 5月 4 15時台 6月 5 7時台 7月 6 11時台 8月 7 11時台 11月 8 9時台 12月 9 15時台 その他の 建設業 男性 おぼれ 仕上工 1年 非鉄金属製 造業 その他の 建設業 食料品製造 業 作業員 木材・木 製品製造 業 はさまれ・巻き込 まれ 男性 崩壊・倒壊 作業員 48年 建築物・構築物 男性 交通事故(道路) 作業員 男性 動力運搬機 動力運搬機 男性 はさまれ・巻き 込まれ 3年 その他一般 動力機械 男性 はさまれ・巻き 込まれ 作業員 11か月 被災者は建設工事現場で使用した資材等を貨物自動車に積込んだ後、帰社する途中、赤信号で停車中の貨物自動車に追突 し、運転していた被災者が死亡した。なお、同乗者及び追突された貨物自動車の運転手も負傷した。 被災者はベルトコンベアーの下部のローラーの付着物を除去するため、ハンマーで叩き落としていたところ、動いていたベ ルトコンベアーのローラーとベルトの間にはさまれた。 被災者が電動ピックを使用し、住宅のブロック壁の解体作業を行っていたところ、ブロック壁が崩壊し、この下敷きとなり 被災した。 被災者は原材料を運搬するためトラックで市道を走行中、国道と交わる交差点の直前で、一時停止した前のトラックを避け ようとして対向車線にはみ出して、歩道に乗り上げ、正面のコンクリート擁壁に激突した。 はさまれ・巻き 込まれ 工場内において、建設工事で手配したミキサー車が現場に向かうため工場内の通路を後退中、同通路を歩行していた作業員 18年 作業員 被災者は建設工事現場において使用する資材等を移動式クレーンに積載し、事業場から建設工事現場へ運搬するため高速道 路を走行中、道路側面のガードレールに激突・横転し、被災した。 被災者は設備の配管の補修作業において、配管内の傾斜した部分から転落し、配管内部の海水内でおぼれ、被災した。 動力運搬機 輸送用機械 クレーン運転士 等製造業 被災者は建設工事現場において締固め用建設機械を運転し、路面の締固め作業を行っていたものであるが、道路上の斜面と 当該建設機械との間にはさまれているところを発見された。 環境等 10か月 2週間 鉄鋼業 12時台 2年 動力運搬機 男性 12月 10 足場工 大分労働局 災 害 発 生 状 況 起 因 物 10時台 3 動力運搬機 を轢いた。 塗装用機械のローラー部の清掃作業中、ローラーを回転させたまま塗料をふき取っていたところ、ローラーに巻き込まれた。 ベルトコンベヤーの清掃等の作業を行っている作業員がローラーに巻き込まれた。 平成26年の重大災害発生状況(大分県) 発生月 № 時間帯 2月 1 16時台 業 種 (中分類) 製造業 (化学工業) 事故の型 男性3名 中毒 建築工事業 危険物・有害物等 作業員 6時台 男性3名 建築工事業 作業員 16時台 男性4名 農業 作業員 17時台 6月 5 11時台 交通事故 (道路) 貨物自動車 6月 4 交通事故 (道路) 貨物自動車 4月 3 災 害 発 生 状 況 起 因 物 作業員 男性3名 3月 2 被 災 者 性別 職種 経験年数 交通事故 (道路) 乗物 商業 (理美容業) 男性4名 作業員 交通事故 (道路) 乗物 被災者らは、タンク内部の清掃作業に従事中、目の充血、かすみなど症状を発症し被災したも の。 被災者らは建築工事現場へ移動するため貨物自動車に乗り走行していたところガードレールに接触 し被災した。 被災者は建設工事現場で使用した資材等を貨物自動車に積込んだ後、帰社する途中、赤信号で停 車中の貨物自動車に追突し、運転していた被災者が死亡した。なお、同乗者及び追突された貨物自 動車の運転手も負傷した。 被災者らは作業場での仕事を終えて会社事務所へ向け、自動車で農道を通って帰っていたとこ ろ、カーブで曲がりきれず擁壁に激突して運転者及び同乗者3名が負傷した。 被災者らは研修に参加するため大分県から福岡方面へ向け自動車を運転中、高速道路において中 央分離帯に激突し横転し運転者及び同乗者3名が被災した。