講義シラバス 【失敗百選から予見するリスクマネジメント 全 6 回】 【講 師

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講義シラバス 【失敗百選から予見するリスクマネジメント 全 6 回】 【講 師
講義シラバス
【失敗百選から予見するリスクマネジメント
【講
師】
:中尾
全 6 回】
政之
東京大学大学院 工学系研究科 産業機械工学専攻 教授
1983 年、東京大学大学院工学系研究科修了。卒業後は日立金属株式会社に入社し、開発・
設計・生産まで幅広く従事。1992 年、東京大学大学院工学系研究科産業機械工学専攻助教
授、2006 年、東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻教授、ナノ・マイクロ加工等の研
究を手がけ、現在に至る。
2002 年に NPO 法人「失敗学会」を立ち上げ、企業の生産活動に伴う事故・失敗の原因
を解明する「失敗学」を研究。日本テレビ「世界一受けたい授業」にも出演。
主な著書に、『失敗百選』
(森北出版)、『失敗は予測できる』
(光文社)、
『失敗の予防学』
(三笠書房)
、
『創造設計の技法』
(日科技連)、
『創造はシステムである―「失敗学」から「創
造学」へ―』
(角川書店)
、
『続・失敗百選-リコールと事故を防ぐ 60 のポイント』
(森北出
版)などがある。
<参考図書>
『失敗百選』中尾政之著 森北出版 (2005/10)
『続・失敗百選』中尾政之著 森北出版 (2010/12)
<講座の目的>
失敗学とは、過去に起きた失敗の原因を究明し、防止策を検討、実行することで、未来の
失敗を減らしていくことを目的とした学問です。この講座では、失敗対応を精神論に終わ
らせず、科学的なプロセスを経て具体的な防止策につなげていく失敗学の詳細について学
びます。
【カリキュラム】
【第 1 回】
失敗百選から予見するリスクマネジメント 01
[テーマ] 失敗学の導入
失敗学の奥義は「人の振り見て我が振り直せ」です。自ら失敗をして覚えることも少な
くないですが、全ての失敗をするわけにはいきません。また、他人の失敗ならば冷静に判
断できるものもあるはずです。ただ、他人の失敗から我が身を正せる人は少ないのも事実
でしょう。第 1 回の講義では、失敗学の奥義や精神など全体の概要を示すとともに、2000
年代以降に変化してきている日本の社会の失敗に対する認識について解説します。
【第 2 回】
失敗百選から予見するリスクマネジメント 02
[テーマ] 失敗の実践1(工学・設計関連)
多種多様に見える失敗も、調べてみると約 80%は過去に発生した失敗と同じか類似して
いるものだということが分かります。過去の失敗を探索してみると、62%は過去の知識が使
えるもの、20%は類似しているものであり、似ているものが見つからない失敗は 18%に過
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ぎませんでした。失敗は繰り返すのであり、過去の失敗を勉強することは有効だとわかっ
ていながら、過去の失敗を研究しようという取り組みはあまりありませんでした。第 2 回
の講義では、工学・設計関連における失敗学の実際の取り組みについて紹介します。
【第 3 回】
失敗百選から予見するリスクマネジメント 03
[テーマ] 失敗の実践 2(ソフトウェア・組織関連)
失敗は繰り返されるのだから、過去の失敗を分析すれば失敗を減らすことができる、と
いうのがハードウェアの失敗に対する考え方でした。しかし、ソフトウェアの失敗は、よ
り複雑になり、予測が非常に困難だと思われるものが増加しています。特に組織における
上流(経営、開発、企画など)の失敗は総じて複雑であり、制約条件が決まる前に決断し
ているので予測しにくいと言えるでしょう。第 3 回の講義では、ソフトウェア・組織関連
における失敗学の考え方をご紹介します。
【第 4 回】
失敗百選から予見するリスクマネジメント 04
[テーマ] 失敗学の展開
ものづくりにおいては「どのように設計するか」
(設計解:How to make)も重要ですが、
それ以上に「そもそも何を作るか」
(要求機能:What to do)が重要です。しかし、明治以
来、諸外国の技術を輸入することが多かった日本のエンジニアは、ものづくりの本来の目
的である「要求機能」を考えることに慣れていません。最終回の講義では、失敗の根本的
な原因を突き止めるために必要不可欠な「要求機能」を認識することの大切さを学びます。
参考図書『知っておくべき家電製品事故 50 選―事故を知るとリスクが見えてくる』中尾政
之・宮村利夫著(日刊工業新聞社)。
以上
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