20150417週次レポート

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20150417週次レポート
Precious Metals Weekly Update
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17 April 2015
WEEK IN REVIEW:
先週公開された 3 月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、2006 年以来初めての利上げ開始のタ
イミングについて当局者の間で意見が割れ、複数の参加者が 6 月の利上げ開始を正当化すると判断したこと
が示された。予想を上回る FOMC のタカ派な姿勢がマーケットに織り込まれたことでドルインデックスと米国
債利回りが上昇し、貴金属全般は下方圧力に晒された。4 月 13 日に発表される中国 3 月貿易収支の結果は、
中国経済の減速の度合いを測る材料となり、PGM 需要へもインパクトをもたらす可能性がある。ユーロ圏の
3 月 CPI や欧州中央銀行(ECB)の声明等、4 月 13 日の週に発表されるユーロ圏の経済指標の結果次第で
はユーロ/ドルが下落する可能性があるが、テクニカル分析の面において、貴金属は短期的には上昇トレンド
にあると考えられる。
Macro indicators:
Yen
1.2%
Euro
(3.4%)
S&P
1.7%
FTSE
1.5%
Oi l
2.5%
Copper
1.7%
Apr 6th - Apr 10th
Platinum prices
$/oz
this week:
プラチナ


6-Apr
10-Apr
Change: 0.0%

Support: $1,165
Resistance: $1,190
Outlook:
Palladium prices
$/oz
this week:
6-Apr
10-Apr
パラジウム


Change: 1.8%

Support: $730
Resistance: $787
Outlook:
Gold prices
$/oz
this week:

10-Apr
Change: -0.8%
Support: $1,180
Resistance: $1,225

Outlook:
Silver prices
$/oz
this week:

10-Apr
Change: -3.4%
Support: $16.05
Resistance: $16.89
Outlook:
マクロ: 4 月 3 日に発表された米 3 月非農業部門雇用者数は、市場予測の 24.5 万人に対し 12.6 万人とい
う結果となった。同経済指標が発表された日はイースター休暇で市場が休場だったことから、休暇明けの
月曜日にゴールドは急上昇し、その後週末に向かってドル高が進むとゴールドは下方圧力に晒された。
テクニカル: 先週週初からゴールドは下落基調にあったが、先週金曜日の朝に投機筋の買いが入ったこと
で$1,200/oz の水準(先週の高値と安値を結んだ 38.2%フィボナッチリトレースメント)まで値を戻し、50 日・
100 日移動平均線を試す展開となった(夫々$1,202/oz・$1,212/oz)。ゴールドは今後、先週のスポット価格
の高値かつ年初来高値と安値を結んだ 50%フィボナッチリトレースメントでもある$1,225~6/oz で上値を抑
えられるだろう。
ファンダメンタル: Gold Fields 社は南アの金鉱山 South Deep 鉱山(世界第 2 位)にて、いくつかの労働組
合と賃金交渉を行い、3 年契約で平均年 10%の賃金上昇という条件で合意したと先週金曜日に発表した。
これによって不安定な労使関係に対する懸念と、4 月に行われる賃金交渉によって南アの金鉱山業が混
乱に陥るおそれが払拭された。GFMS による 2014 年のゴールドのオールインコストは$1,361/oz である
が、これに加えて更なるコストが発生することになる。
シルバー

6-Apr
マクロ: 先週パラジウム対プラチナで上昇した。ドル高局面においてパラジウムはプラチナよりも堅調に推
移する傾向がある。これは、工業メタルとしての側面があるパラジウムは、好景気に伴いその需要の伸び
が意識されることに起因するものと考えられる。従って米経済に関するポジティブな経済指標の発表は、場
合によってはパラジウム価格をサポートすると考えられる。
テクニカル: パラジウムは 4 月前半に長期的な上昇トレンドラインを割り込んだが、先週再び同トレンドライ
ンを試す展開となった。日次の終値ベースで$765/oz を付ければ、パラジウムは再び上昇トレンドに戻り、
50 日・100 日移動平均線の$780-90/oz まで値を戻す可能性もある。
ファンダメンタル: 報道によると、ロシアは PGM のアノードと化合物にも 6.5%の輸出関税を課すことを計画
しているが、ロシアは WTO(World Trade Organization)加盟に際し 2016 年以降 PGM に課している輸
出関税を撤廃することを求められている為、同関税は一時的なものとなるだろう。世界最大のパラジウム
生産者の Norilsk Nickel 社は、ドル高・ルーブル安の恩恵を受け、先週金曜日に中間配当に加えて約
$20 億の最終配当を行うことを発表した。
ゴールド

6-Apr
マクロ: イースター休暇明けにプラチナは上昇したが、ドル高に推移したことを受け、先週プラチナは下方圧
力に晒された。しかし、先週金曜日に価格が大きく上昇したことで、週の終値ベースでプラチナ価格は 2 週
連続の上昇となった。2015 年に入って以来、2 週連続で価格が上昇したのは 2 回目である。
テクニカル: 先週プラチナが$1,165/oz の水準(2015 年の高値と安値を結んだ 38.2%フィボナッチリトレース
メント)を上抜けたことで、3 月上旬の日次の終値ベースの抵抗線であった$1,190/oz まで価格レンジが拡
がった。現在は、3 月の安値から引き続き上昇トレンドが続いている。
ファンダメンタル: 先週 Platinum Guild International(PGI)社がプラチナ宝飾品についての調査結果を発
表した。最大の市場である中国のプラチナ宝飾品小売売上高は前年比 3%減少し、2015 年も横ばいに推
移すると予測されている。これは卸売市場が減速していること、及び上海黄金交易所(SGE)での売買高が
減少している (4 ページご参照)状況とも一致している。2014 年のインドのプラチナ小売売上高は 28%増加
し(中国と比べると基準となる売買高がそもそも大幅に少ないものの)、2015 年も 23%増となると予測されて
いる。

マクロ: 先週シルバーは金曜日に若干値を戻したものの、週を通じて軟調な展開となり、絶対値だけでなく
対ゴールドでも値を下げた。
テクニカル: シルバーは 2015 年 1 月高値と 3 月安値を結んだ 38.2%フィボナッチリトレースメントの
$16.52/oz を試す展開となっており、この水準を上抜ければ次は 50 日・100 日移動平均線を試す展開とな
る。この移動平均線を上回ってくると、シルバーは強気相場であることが示されるだろう。
ファンダメンタル: Perth Mint 社の 3 月のシルバーコイン販売量は、投資家や収集家が安値を買い拾った
ことで 4 か月振りの高水準である 20t となった。
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Precious Metals Weekly Update
17 April 2015
FOCUS: 南ア PGM 生産量
先週木曜日に Statistics South Africa(Stats SA)が
2 月の貴金属生産量を発表したが、ゴールド生産量
は 8%減少したものの、全体の生産量は 7.5%増加し、
PGM 生産量は前年比 26.7%増加したことが示され
た。季調済ベースでは、主に Lonmin と Amplats の
溶鉱炉のメンテナンスが完了したことにより、2 月の
PGM 生産量は前月比 4.7%増加した。
2014 年 2 月は、昨年の大手鉱山会社 3 社によるス
トライキの真最中であった為、通常生産に戻っている
現時点と比較した場合、現状が大幅に向上している
ように見えてしまう。また、Stats SA が示すデータは
鉱山生産量ではなく、精錬された地金の生産量と鉱
石の輸出量を足した値であることから、その値は精
錬のオペレーションに依る部分が大きく、必ずしも南
ア鉱山の純粋な採掘生産量を示した指標ではない。
グラフ 1: 南ア PGM 生産量(前年比)(%):
Source: Mitsubishi from Stats SA
2014 年 2 月に Stats SA が公表した生産量は前年
比 36.2%減少となっていたが、実際の採掘生産量の
減少幅はそれを大きく上回っていた。鉱山会社各社
の日々の採掘数量は、3 社合わせて通常より約
17th April, 2015
311kg 減少、つまり通常生産量の半分以下まで減少
していた。しかし、地金在庫と精錬途中の仕掛在庫
を切り崩すことにより、ストライキ期間中に実際に採
屈された数量以上の地金を販売することが可能であ
った。
Stats SA の統計からすると、2015 年 2 月は 13 ヶ月
振りに初めて生産量が前年比増となった月ではある
が、鉱山からの採掘数量は既に 2014 年 7-9 月後
半から 10-12 月前半にかけて通常に戻っていたと考
えられる(しかし、当初は採掘された鉱石は激減した
精錬途中在庫(パイプラインの中の在庫)の補充に当
てられていた。2015 年 1 月の地金生産量が 9.9%減
少したのは、計画・無計画で Amplats と Lonmin の
溶鉱炉が止まってしまったことから、操業できずに鉱
石が備蓄在庫となってしまった為である。
Stats SA が発表するデータの数字が良くなっている
一方、現在はプラチナのファンダメンタル面の問題点
が意識されている。それはプラチナ市場が短期的に
供給過剰になりつつあるという点である。鉱山生産
量と地金販売量はストライキ前の水準まで回復し、
自動車会社(一般的に先渡で購入している)や中国
現物市場(十分な在庫があると考えられる)等、需要
家の現物購入量が減少したことで需要が減退してい
る。これにより、スポット価格は下落、またスポンジプ
レミアムも 2014 年の水準と比較し落ち込んでいる。
しかし、南アでは秋冬にかけ季節的に電力需要が
高まる中、電力平均分配が行われる予定であり、更
に労働組合と鉱山会社の賃金交渉も始まろうとして
いる(5 月に金鉱山セクターで開始される予定であり、
この結果が 2016 年前半の PGM 鉱山セクターの賃
金要求を方向付けるものとなるだろう)。電力供給が
制限されると精錬工程は真っ先にその影響を受ける
と考えられ、地金の出荷量は減少する可能性がある。
電力供給問題が深刻化すると鉱山業も影響を受け、
南アの PGM 生産量にも深刻な影響を及ぼすことに
なる。以上の要因は PGM 価格の上振れリスクにな
りうるが、短期的にはマクロ環境と投資気運がネガ
ティブ材料となり、軟調な推移となる見通し。
三菱商事 RtM ジャパン(株)貴金属事業部
転用・転送 堅くお断りいたします
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Precious Metals Weekly Update
17 April 2015
MACRO OUTLOOK: Economic calendar from Bloomberg
Apr-13
Japan:
2 月機械受注
前-1.7% 予-2.2%
3 月国内企業物価指数
前 0.5% 予 0.4%
日銀金融政策決定会合議
事要旨公表
China:
3 月貿易収支
前$606.2 億
予$402.0 億
US:
3 月小売売上高
(前月比)
前-0.6% 予 1.0%
Apr-14
UK:
3 月 CPI(前年比)
前 0.0% 予 0.0%
EU:
ECB 政策金利発表
前 0.05% 予 0.05%
中銀預金金利発表
前-0.2% 予-0.2%
US:
3 月 PPI
前-0.5% 予 0.2%
Apr-15
Japan:
3 月鉱工業生産指数
(前月比)前-3.4% (前年比)前-2.6%
China:
1-3 月 GDP
前 7.3% 予 7.0%
3 月鉱工業生産指数
前 6.8% 予 6.9%
Germany:
3 月 CPI(前年比)
前 0.3% 予 0.3%
US:
MBA 住宅ローン申請指数
前 0.4%
NY 連銀製造業景気指数
前 6.9 予 7.0
3 月鉱工業生産指数(前月比)
前 0.1% 予-0.3%
3 月設備稼働率
前 78.9% 予 78.7%
Apr-16
Japan:
3 月工作機械受注(前月比)
前 14.6%
EU:
3 月 CPI(前年比)
前-0.1% 予-0.1%
3 月新車登録台数(前年比)
前 7.3%
US:
3 月住宅着工件数
前 89.7 万件 予 104.0 万件
新規失業保険申請件数
前 28.1 万件 予 28.0 万件
Apr-17
G20 財務相・中央銀行総
裁会議
UK:
3 月失業率
前 5.7% 予 5.6%
US:
3 月 CPI(前年比)
前 0.0% 予 0.1%
3 月景気先行指標総合
指数(前月比)
前 0.2% 予 0.3%
FUTURES MARKET: Source – Commitments of Traders, Commodity Futures Trading Commission
NYMEX プラチナ ネット・ロングポジション
3 月 31 日時点: 40.8t
2 週連続でショートポジションは 5.1t もの量が手仕舞われ、グロス・ショートは 2015 年 3 月中旬につけた歴代最高値の 52.9t から減
少したものの、未だ最高値の 88%の 46.7t を維持している。グロス・ロングも 1.9t 減少し、ネットロングは約 3.1t 増加し 4 週振りの高
値 40.8t となった。今後更にショートカバーが入ることによって、プラチナ価格がサポートされる可能性もある。
NYMEX パラジウム ネット・ロングポジション
3 月 31 日時点: 47.9t
パラジウムが 3 月 27 日に、これまで長い間サポートされていた上昇トレンドラインの$760/oz を割り込み、31 日に 13 か月振り低値
$725/oz をつけたことを受け、グロス・ショートは 10.9t(59%)増加し(週間ベースで最大の増加幅)、29.7t となった。グロス・ロングは今
回同水準で推移した為、ネット・ロングは約 10.8t 減少し、2012 年 11 月振りの低値 47.9t となった。グロス・ショートが歴代最高値の
52%から 83%まで増加したことについては、ややショートポジションが増加し過ぎていると考えられることから、今後ショートカバーが入
ることで価格はサポートされ、パラジウムは値を戻す可能性がある。
COMEX ゴールド ネット・ロングポジション
3 月 31 日時点: 250.7t
直近でグロス・ショートが 4 ヶ月振りの高値 466.6t を超えるまで増加していた為予測されていたが、ついにショートカバーが入ったこと
で、3 月 31 日の週にグロス・ショートは 80.6t(17%)減少した。グロス・ロングは前週の歴代最高値の 84%から現在は 70%に減少し落
ち着いたが、今後更にショートカバーが入ることで$1,200/oz の水準を突破する可能性がある。
COMEX シルバー ネット・ロングポジション
3 月 31 日時点: 7,754.4t
シルバーは 2 週連続でグロス・ショートが減少したことで(1,290.8t 減)、ネット・ロングは 7 週振りの高値 7,754.4t に達した。グロス・ロ
ングが 360.8t 増加した結果、ネット・ロングは 16,516t 増加し、週間ベースでは 2014 年 7 月振りの増加幅となった。
17th April, 2015
三菱商事 RtM ジャパン(株)貴金属事業部
転用・転送 堅くお断りいたします
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Precious Metals Weekly Update
17 April 2015
SHANGHAI GOLD EXCHANGE: Source – Shanghai Gold Exchange
SGEプラチナ売買高 4 月 9 日時点
rd
Implied premium 5.9% (5.9% to 3 Apr)
SGEゴールド売買高 4 月 9 日時点
rd
Implied discount:-0.1% (0.1% to 3 Apr)
Thousands
Platinum sales (koz)
200
Price (RMB/g)
400
350
150
300
250
100
200
150
50
100
50
0
0
Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec
2013
2014
2015
2013 monthly average price
2014 monthly average price
2015 monthly average price
EXCHANGED TRADED FUNDS: Source – various ETF providers
プラチナ ETF 残高
4 月 9 日時点: 84.9t
先週プラチナ ETF は薄商いとなり、主要ファン
ドの残高も概して横ばいに推移した。
パラジウム ETF 残高
4 月 9 日時点: 88.6t
パラジウム ETF もプラチナ ETF 同様、残高は
2 週連続で 88.6t と横ばいに推移した。
ゴールド ETF 残高
4 月 9 日時点: 1,430.8t
直近数週間と比較して残高の減少ペースは緩
やかになったものの、SPDR ETF は先週更に
売り手仕舞われた。これによって 2015 年 1 月
に積み上げられた残高が減少し始めている。
シルバーETF 残高
4 月 9 日時点: 13,324.7t
先 週 シ ル バ ー ETF 残 高 は 、 ETFS London
fund の残高が僅かに増加したが、ほぼ横ば
いの 13,324.7t となった。シルバーETF 残高
は年初来で約 31t 増加している。
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Spot
Gold
Forwards
Silver
Platinum
Leases
Palladium
17 April 2015
Futures
Rhodium
Options
Ruthenium
Swaps
Iridium
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